2021-01-01から1年間の記事一覧

論語読みの論語知らず

戦前、まだ私が子供の頃の教育は、先ずは何でも暗記させて覚えさせることから始まっていたようであった。教育勅語など子供が理解するのは無理だと考えられていたのか、その易しい解説などなしに、訳もわからないままに祝祭日がある毎に、全生徒が講堂に集め…

「自宅療養」

コロナが流行してから「自宅療養」という言葉がやたらと使われているのが気になって仕方がない。誰しも、変だと思いませんか。 コロナ(Covid19)は間違いなく、世界中に拡がってしまった感染症です。感染症に対する対策は、薬も何もなかったペストの時代か…

私にとっての日の丸・君が代

8月18日の朝日新聞に「沖縄で燃やした日の丸」と題して、1987年10月沖縄であった国体の会場に掲揚されていた日の丸を、引き下ろして火をつけ、逮捕され、器物損壊の罪で、懲役1年執行猶予3年の有罪判決を受け、今は僧侶になっている知花昌一氏へのインタビュ…

奈落の春の日記

1945年の春に、希望に燃えて憧れの海軍兵学校に入ったが、僅か4ヶ月で敗戦となり、意気消沈して大阪へ戻り、戦後の混乱に巻き込まれ、心の支えであった神も仏も失い、途方に暮れていた一年後の日記が見つかったので、その抜粋を残しておきたい。2日だけの日…

コロナ感染大爆発の責任

とうとうコロナ感染が大爆発してしまい、医療崩壊が現実のものとなり、コロナにかかっても自宅で死ぬ人まで出てしまっている。それにもかかわらず、病院への入院などは、未だに保健所一本で調整することになっているが、今やこのシステムもパンクしてしまっ…

戦地の話

私の年代は敗戦の時17歳だったので、志願して少年兵になった者や、沖縄で戦闘に巻き込まれた者などを除いては、実際の戦争は経験していない。しかし、すぐ上の年代の者までは実戦に駆り出されたので、好むと好まざるに関わらず、先輩たちから戦地の話を嫌…

米軍のアフガニスタン撤退

新聞の報道によれば、確か今月末までに、アフガニスタンから米軍が完全に撤退するそうである。もう既に、タリバンの勢力が国土の大部分を支配下におき、いくつもの州都も奪い、首都のカブールもやがて占領されそうだという。首都にあるアメリカ大使館も、そ…

原爆についての日本の態度

8月6日が広島、9日が長崎へ原爆を落とされた日である。日本人の誰もが忘れることが出来ない日であるが、私にとっても、広島の原爆は直接その時のピカ・ドーンを体験し、原始雲を見上げ、広島の焼け跡を通った経験から今も鮮明に記憶に残っている。 ところで…

17歳の軍国少年の遺書

もういつ頃だったかも忘れてしまったが、戦後間もない頃に書いた文章などの辛うじて残った残骸を見つけて、大切に奥深く仕舞い込んでいた。殆ど忘れかけていたが、最近思い出して、このままにしておくと、もう死ぬまで見ないことになってしまいそうだったの…

身勝手な人種差別

8月1日の朝日新聞の声欄に、和歌山の方の『「品格」問う横審に物申す』とした投書が載っていた。名古屋場所で全勝優勝した横綱白鵬の取口が、品格に欠けるとして問題になり、八角理事長が白鵬を呼び出して注意したというが、全く納得がいかないという趣旨で…

戦中・戦後の短歌

昔の雑文とともに、戦中・戦後の自作の短歌集が出て来たので、そこから適当にピックアップして記載しておきたい。まだ中学一年生の時の開戦から、敗戦後一年ばかりの間のものである。 一冊のノートにまとめられており、表紙には桜を描いて、四季・忠誠詩歌集…

首相失格。辞めてくれ!

もうこの首相、菅首相には辞めて欲しいと思う人が益々増えてきているのではなかろうか。 以前にも書いたように、この人が官房長官だった頃から、この人物は番頭であっても、主人にはなれない人だと思っていたが、突然安倍首相が辞めて、他に人材がなかったの…

昭和20年の私家版「盡忠会会報」

先の大戦末期の昭和20年の1月から3月までの間に、自分で勝手に作った「盡忠会会報」なるものが、古い未整理のガラクタの中から出てきた。 2月1日号が創刊号で、3月の大阪大空襲の直前の3月11日号まで、旬刊として出されている。と言っても、自分で書いて、…

原爆記念碑の碑文の意味

8月6日は広島の原爆投下記念日である。多くの犠牲者の霊に応えるべく、広島原爆死没者慰霊碑(公式名は広島平和都市記念碑)が建てられ、その碑文には「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれています。 この碑文の趣旨は、広島市の公式…

八月はやっぱり特別な月

2018年の8月9日のこの欄にも「8月はやっぱり特別な月」という文章を書いているが、毎年8月になると、いやでも戦争のことを思いだす。 8月6日の朝の原爆による閃光と、それに続くドンという地響き、外へ出て見上げた原子雲は、3月13日夜の大阪大空襲の空一面…

脱皮し損じた蝉

梅雨が明けると途端に蝉時雨が始まり、我が家の庭もうるさいぐらいである。蝉の抜け殻もいくつか見つけた。 7年間も土の中で暮らし、やっと地上に出て来て、脱皮して蝉になると、もう1週間ぐらいで死んでしまうらしい。1週間しかない命であれば一所懸命に…

オリンピックを見直そう

オリンピックに政治を持ち込むななどと言われているが、オリンピックは昔から政治的なものである。ナチスドイツがベルリンで民族の祭典としてナチスの宣伝にオリンピックを利用したのは有名な話である。 オリンピックの競技も個人で争うもので、国の競争では…

情けない祖国

安倍内閣の時には、あまりの滅茶苦茶振りに腹の立てどうしだったが、今の菅内閣となると、最早、怒りより情けなさが先行する。 安倍氏の場合は「金持ちの坊ちゃん?」で、怖いもの知らずなので、森友、加計学園問題や桜園遊会などの公私混同の問題を起こすし…

一年ぶりの大阪

脊椎環狭窄症で歩行障害が起こり、続いて、この世のコロナの感染が広がり、自分の歳のことも考えて、それを機会に仕事も完全に辞めた。そうなると、大阪へ出掛けねばならない機会もなくなり、コロナで出来るだけ不要な外出は控えるようにという要請もあって…

93回目の誕生日

世界中で誕生日はお祝いすることになっているようだが、90歳も過ぎると、もう子供の頃のような誕生日の期待や喜びもなくなり、日々の繋がりの中のある一日に溶け込んでしまう。 九十三、楽しくもあり楽しくもなし 誕生日のことなど忘れていたら、ニューヨ…

日本は民主主義国家か

戦後に作られた民主的な憲法があり、選挙で国会議員が選ばれ、誰しも好きなことを言えるので、日本は民主主義国家だと思っている人が多いだろう。また、最近のバイデン大統領の呼びかけによるイギリスでのG7会合での共同声明でも、民主主義の国が一致して専…

白鵬と照ノ富士

今年の大相撲の名古屋場所は、横綱の白鵬と大関の照ノ富士による千秋楽での、全勝力士同士の対戦で、白鵬が勝ち、45回目の優勝、16番目の全勝優勝で幕を閉じた。久しぶりで横綱と大関の真剣勝負で見応えのある一番であった。 両者とも必死の取り組みで、近…

垣間見てきた家なき人々の断面

戦前、子供の頃には、お寺やお祭りなどへ行くと、必ずと言ってよいぐらい、何処にでもボロを纏って道端に座り、缶詰の空き缶などを前に置いて、黙って座り、通行人に小銭を乞う乞食を見たものであった。「癩病がうつるから近寄るな」などと言われたこともあ…

かってつんぼ

歳をとれば、悪くなるのは目だけではない。誰しも、耳も少しづつ聞こえ難くなって来る。それでも、日常生活にはそれほど困らないし、テレビの音声も、遠くから聞くわけでないから、さして困らない。テレビの言葉をはっきり聞きたければ、近づけば良いだけで…

目の錯覚を楽しむ

左目は50代の後半にストレス性の黄斑の浮腫を起こし、以来、中心暗転がずっと残り、左目で物を見ると中心部が暗く歪んで見え、両眼で見る時も良い方の右目だけで見ているようなものなので、奥行きがわかりにくい。 その右目も老眼だし、おまけに0.4ぐらい…

コロナワクチン狂奏曲

今年の4月25日だったかに、高齢者のコロナワクチンの接種の予約が始まるというので、予め段取りを学び、その日の午前9時の受付開始時間を待って、急いでパソコンを開いたが、もう既に一杯で、パソコンの所定のページに到達出来ない。その後、何度開いて…

緊急事態宣言下でのオリンピック開催

今年春だったか、IOCのバッハ会長がコロナ禍の中でのオリンピック開催を唱え、「たとえ菅総理が反対しても」「緊急事態宣言が出されても開催される」と発言して、多くの日本人の反発を買い、海外からもオリンピックの収益にしがみついたバッハ会長の姿勢をBa…

80代と90代の違い

朝日新聞の日曜俳句欄に、下のような句が並んで載っていた。 老犬と一山越えし古希の夏 横浜市 桐谷篤輝 老二人何とか八十路初西瓜 大和郡山市 宮本陶生 なるほど70代と80代の違いがよく出ていて面白い。私の経験に照らして見ても、70代は古希だの、喜…

多様化の時代

歳をとって適当に体を動かさねばと思うが、コロナも怖い時代である。出来るだけ人の混み合った商店街や駅の周辺を避けて、人通りの少ない道を選んで散歩するようにしている。幸い、池田には猪名川が流れており、五月山もあり、散策出来る道には事欠かない。…

朝食は緑のテラスで

91歳を過ぎて脊椎管狭窄症で歩行障害が起こり、仕事を辞めたと思ったら、コロナが流行し出して、外出も思うように出来なくなってしまった。このままじっとしていたら、もう動けなくなってしまうかもとの恐怖感もあったので、足のリハビリも兼ねて、出来る…