2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

体力の衰え

91歳までは週に一二回だったが、若い時と同じようにに電車に乗り、街を歩いて産業医としての相談業務に行っていた。その年の11月の末には、女房とともに、真鶴半島の先の中川一政の美術館を訪ね、あと半島の根元のJRの駅まであちこち寄りながら随分歩いて…

映画 Perfect Days

いつも行く宝塚の映画館で表記の映画があり、久し振りのヴィム・ヴェンダースの映画で、ベルリンかどこかで何かの賞を取ったとかで期待していたので見に行った。 公衆トイレの掃除人の話だというので、社会的な問題を扱った作品ではないかと予想していたが、…

諸行無常

昨日いつもの様に散歩しようと思って門扉を出ると、通りの北の方から白い煙が上がっているのが見えた。何だろうと思ってみるとすぐ近くの四辻の向こうに赤い消防車が止まっているではないか。煙も一転茶色を帯び高く上がった。 すぐ火事だと分かった。家の中…

懐かしい昔の市電

私は中学生の頃、大阪市内の天王寺公園のすぐ近くに住んでいたので、市内の何処へ行くにも、いつも市電を利用していた。もう市電がなくなってからずいぶん年月も経ってしまったが、今でも上町線や阪堺線の電車を見ると懐かしくなる。 まだ戦前から戦後にかけ…

資本主義の終わりか。人類の終焉か。

「資本主義の終わりか? 人類の終焉か 未来への大分岐」という本がある。斎藤公平編で ネグリとハート共著の「帝国」で有名なハート、「何故世界は存在しないのか」のマルクス・ガブリエル、それに「ポストキャピタリズム」で資本主義は情報テクノロジーで崩…

トイレのスリッパ

家によって異なるだろうが、今もトイレにスリッパを用意している家庭が多いようである。写真の様に我が家でもお客のある時にはマットの上にスリッパを用意している。 今の様に何処の家でもトイレが屋内にあり、洋式便器に水洗は勿論、ウオシュレットなどまで…

ストのない国

作家の多和田葉子さんが2月16日の朝日新聞にベルリン通信としてベルリンのストライキの様子を書かれていた。 「町中を走るトラクターに驚いていると、今度は長距離列車のストが始まり、やっと列車が動き出したかと思うと、今度はバスや地下鉄ガストを行い…

背広のチョッキ

昔は三つ揃えなどと言ってサラリーマンや紳士のフォーマルな服装は、背広の上下に中に背広と同じ仕立ての五つボタンのチョッキを着るのが普通であった。明治から戦前までの背広姿の写真などを見ると大抵三つ揃えの背広を着ており、上着を脱いでのチョッキ姿…

単一民族国家は滅びる

今でも日本は単一民族国家だと自慢する人たちがいる。皇紀2600年とかいう天皇を担いだ大和民族が暴走して惨めな敗戦を迎えたのに、まだ懲りない時代遅れの人たちがいるものである。 もうアーリア民族だとか、大和民族だとか孤立した民族の優秀さを自慢する時…

強い国より幸せな国へ

私が子供の頃に教わったのは、日本の人口は7千万人で、当時の植民地の朝鮮半島や台湾を合わせて約1億人であり、国の発展のためには一億一心、百億貯蓄だの、産めよ増やせよ地に満ちよなどと言われたものでした。全てが開発、成長、発展、巨大化が目標であっ…

悠久の世界

まだ私が少年だった戦争中、殊に情勢がわが国にとって不利になって来た頃から、「悠久の大義」ということが盛んに言われるようになった。特に、特攻隊で死を覚悟して飛び立つ若者たちの精神的な根拠は「悠久の大義に死す」ということであった。この場合の悠…

儲けるためのSDGs

SDGs(Sustenable Deveropment Goals=持続可能な開発目標)という言葉は今や人口に膾炙し、知らない人もいないぐらいポピュラーな言葉になっている。 人々が無限と思っていた地球も、これだけ人口が増え、産業が盛んになって開発が進むと、「人新生」と言わ…

96(苦労)の歳、97(苦難)の歳

1月28日の朝日新聞の歌壇の欄に、 "苦労(96)過ぎ苦難(97)の歳へ入りにけり難聴頻尿の寂しき元朝" (東京都)青木久彌 という歌が載せられていた。それを読んだ女房が「まさにあなたを読んだ歌じゃない?」と冷やかした。年齢も同じ、症状もそっくりである。…

楽しい80歳代、寂しい90歳代

九十歳を過ぎる頃まではあまり気が付かなかったが、長生きをした人たちにとっては、八十歳代は人生の中でも一番リラックスし、楽しい時代だったのではなかろうか。 がんや生活習慣病などで早くこの世を去ってしまった人たちは別として、八十歳を超えても元気…