アメリカの国連憲章無視、議会にも相談せず、戦線布告もない、明らかな国際法無視のベネズエラやイランへの公然とした一方的な奇襲攻撃に対して日本政府は何も言えないでいる。
誰が見ても、どう見ても一方的な侵略戦争であり、ロシアのウクライナ侵略は非難している国なのにである。ロシアや中国、スペインその他の国々がはっきりと非難しているにもかかわらず、日本政府はアメリカの顔色を窺うばかりで、戦争の非難すら出来ない。
そんな中での高市首相の訪米である。元々は4月に行われる予定のトランプ大統領の訪中に先立って、日中問題について打ち合わせておこうという段取りだったのだが、イラン戦争がはいってきて、アメリカに同調しながら、いかにアメリカの要求をこなすかという難題を抱えた中での訪米となってしまった。
高市首相もいろいろ考えたのであろうが、トランプ大統領と会うなり、握手でなく抱擁し、会談の冒頭で「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ。そのために私は諸外国に働きかけ、しっかり応援したい。今日、私はそれを伝えに来た」という始末。侵略戦争を非難するどころか、よくもここまで言うのかという「対米追随」には空いた口も塞がらない。この上、ホルムズ海峡に自衛隊を派遣して戦争に協力することにでもなっては大変である。
日米安保条約によって、日本はアメリカに守られているからと本気で思っている人もいるかも知れないが、日米安保条約やそれに伴う地位協定は、アメリカが日本を守るためのものでなく、アメリカが日本を支配し、アメリカがアメリカのために日本を利用するためのものであることを知るべきである。
アメリカ軍は日本のどこにでも、アメリカ軍の基地を置くことが出来、過去にも、その基地から直接、朝鮮やベトナムへ爆撃機が飛び立ったし、今回のイラン戦争でも、必要とあらば、日本に断りなしで、いつでも爆撃機であろうと戦闘機であろうと日本の基地から飛び立って戦場へ向かえるし、横須賀の軍港から、原子力潜水艦であろうと、他の軍艦であろうと自由に戦地へ行くことが出来るのである。
戦時でなくとも、日常的に横田の米軍基地の空域のために、羽田空港への離着陸する民間飛行機は無理な急降下を強いられているし、米軍のヘリコプターは空路にない高層ビル群のすぐ近くでも平気で飛んでいるのである。アメリカの大統領をはじめとする訪日要人は横田基地へ降り、そこからヘリコプターで都心に向かうことが多い。また、アメリカ軍の飛行訓練は日本国中どこでも自由に行われなわれている。
ニュースなどでよく取り上げられる沖縄での米軍基地が絡む住民生活の困難などの問題は、大部分の基地を沖縄に置く日米安保条約によるものであるが、本州でも日米条約は同じであり、政府が何と言おうと、この条約により米軍は日本中どこでも自由に使えることになっているのである。日本は完全な独立国ではなく、アメリカの従属国であり、半植民地とでも言えることを知るべきである。
敗戦以来のことであるから、もう八十一年にもなる。人々はもう慣れてしまってこれが本来の姿だとでも思っているのであろうか。
そういえば、明治時代にも安政の五カ国条約以来の不平等条約があり、それによる主権の及ばない治外法権の外国人居留地があり、関税自主権もない時代があったが、国力増強と憲法・民法などの法整備により40年かけて段階的に改正され、1911年に漸く関税自主権を取り戻した歴史が思い出される。
明治の初めを開国として敗戦まで77年、敗戦後81年、合わせて158年のうち日本が完全な独立国であったのは37年にしか過ぎないことになる。それでも不平等条約の時は、何とかそれを排除すべく努力が傘狙えたが、日米安保条約については、それを解消しようとする努力さえ見られない。最近は日本の独立という声聞かないが、世界で独立を宣言し認めてもらうことが国の根幹である。
いつの日にか日本が完全な独立国として世界に認められる日を期待しないではおれない。