コロナワクチン狂奏曲

 今年の4月25日だったかに、高齢者のコロナワクチンの接種の予約が始まるというので、予め段取りを学び、その日の午前9時の受付開始時間を待って、急いでパソコンを開いたが、もう既に一杯で、パソコンの所定のページに到達出来ない。その後、何度開いても同じで繋がらない。もうその日は諦めて、次の申込日を待つことにした。

 次は5月4日だった。この日は前回のことがあるので、予めパソコンを開き、申し込みページを開けて 此のボタンを押せば良いところまで準備して、9時の開始時刻まで待ち。9時になるや否や、早速そのボタンを押したが、反応がない。何度押してもダメ。どうもページが更新されており、新たに初めのページから入らねばならないようだ。慌てて初めのページからやり直すと、もう申し込みが一杯で、肝心のところまで行きつけない。何度やっても同じである。

 電話でも申し込めることになっていたので、携帯で電話をするも、こちらも既に満員で、何度かけ直してもビジイの反応だけ。直後、1分後、5分後、10分後、15分後と、パソコンで何度繋ごうとしても満員で受け付けまで行き着けない。30分毎ぐらいに繰り返しても結果は変わらない。

 パソコンの操作にも慣れていない年寄りは皆嘆いているか、怒っている。老人が相手なのだから、もう少し老人のことを考えたらどうか。早く予約の取れた人は、大抵息子や娘が申し込んでくれたなどと言っている。若者のいない老人は切り捨てか。

 まあ仕方がないので、また次の機会にでもするかと半ば諦めていたが、午後3時頃に、階下でパソコンを操作していた女房が パソコンがつながって、予約が取れたと言うではないか。何度か試みているうちに、偶然繋がったのだという。それなら続いて私の分も頼むと言って、やって貰ったら、私の分も何とか取れた。これでやれやれ一安心。

  接種会場は市役所の裏にある福祉会館で、摂取日は1ヶ月ばかり先の6月25日ということであった。会場が少し遠すぎるので、何かあっても往復歩いて行けるだろうかと、散歩のついでに、現地を確かめに行ってみた。

 ところがその後、地区の民生委員の人が訪ねてきて、近くの地域の会館で6月19日に接種が出来ることになったので、そちらの方が便利なので、そちらで接種を受けることに変更し、ようやく一回目の接種を受けることが出来た。こちらは地域の医師会が協力してやっていたので、知り合いの医師や看護婦さんもいて、場所も近いので気楽に出来た。

 2回目は3週間空けるので、7月10日といういことになり、一昨日ようやく済ませた。随分手間と時間がかかったが、何とか済んでやれやれというところである。

 いろいろとワクチンの副作用についても言われっているが、もう超がつきそうな高齢浪夫妻はもう免疫反応も鈍くなってしまっているためか、二人とも、ワクチンによる副反応は全くと言っても良い程見られなかった。

 そもそもコロナに対するワクチン接種は何故か、日本では外国に比べて出遅れていた。オリンピックの開催期日など早くから分かっているのだから、もっと早くから手を打つべきだったのに、全然諸外国から送れってしまった。

 今年の初めになって、ようやく医療従事者から初め、高齢者の摂取へと続くワクチン接種の段取りが作られてきたが、初めは段取りだけで、実際のワクチン接種は遅々としか進まなかった。外国製のワクチンなので実際の供給が進まなかったようである。

 ところがワクチン供給の見込みががついたのか、此の春頃から政府はオリンピック目指して、急にワクチン摂取を急ぐようになり、自衛隊まで動員して大規模摂取会場が作られたり、各自治体に発破をかけて、全国的に大急ぎで摂取をせかせ、6月頃からは老人の摂取がまだ終わらないうちから、65歳以下の人から子供まで対象として考えらえ、自治体経由でなく会社などの職場での摂取まで進められることとなった。

 しかし、今度は あまり慌て過ぎたのか、途中でワクチンの供給が追いつかなくなり、急に一旦計画を中止せざるを得ないようなことになるなど混乱が生じ、折角の計画もここへ来てもたついている。

 コロナビールスには特効薬がなく、今のところワクチンが流行を抑える唯一の武器として、急に脚光を浴び、オリンピックまでに集団免疫をうるには間に合わないが、せめて一回の摂取だけでも済ませてオリンピックに臨みたいという政府の思惑から、急にワクチン摂取が脚光を浴びることになったのだが、あまりにも杜撰な計画の泥縄式仕事で、返って国民を困惑させている。

 コロナの流行が第5波が起こりかけているところで、オリンピックはあくまで強行して、何とか無観客ですることになったようだが、実際どのようなことになるのやら心配である。

 庶民のワクチンいついての歌が朝日歌壇俳壇に載っていた。

 さすりつつ待ってる腕に予約なし

 四十二日 百五十回 千五百円、予約電話に費やしたもの

 悲しきは偉い方ほど身勝手で

無為徒食役に立たない私ですワクチン接種ビリでいいです