衰退する日本に目覚めよ!

 先の大戦の敗戦の結果、アメリカに全面的に占領され、平和条約とともにアメリカの属国となった日本は、幸か不幸か、朝鮮戦争ベトナム戦争などのアメリカの侵略戦争の下請によって、経済の復興、発展の機会を掴み、一時はJapan No.1と言われるまでに経済発展を遂げたが、ここ30年ばかりはアメリカに頭を抑えられて発展は止まり、経済も停滞し、すべてアメリカに追随させられ、衰退の一途を辿っている。

 戦後約3%だった日本の世界に占めるGDP国内総生産)の比重は、復興・高度経済成長を通して1994年のピーク時には約18%にまで上昇したが、昨年にはまた約4%まで低下している。

 次から次へと現れるSNS上の統計の図表など見ていると、最近では、任意に拾ったものだけでも、多くの知らせが世界の中での日本の立ち位置の変化を示してくれる。この国の勢いは今では見るも哀れな姿ばかりである。

 しかも、今やますますアメリカに言われるままに、平和憲法を公然と踏み破り、予算を無視してまで軍備を増強し、他国への先制攻撃さえ可能にしていっている。そのために国民からの徴税は厳しくなるばかりで、国民に対する福祉は抑えられ、国民の貧困化が止まらない。

 その間に中国や他の東南アジア諸国の発展があり、殊に中国の発展は素晴らしく、今や人口は日本の10倍で、経済規模が日本の4倍となり、科学や文化の発展も日本を凌駕するに至っている。アメリカの政策に乗せられた日本は中国を敵視化しつつあるが、現実には日本が生きるためには、近隣友好、平和共存しかあり得ないことを知るべきである。

 それにもかかわらず、国民の中には今なお日本がかっての如く大国であり、大日本帝国時代の様に周辺国を見下し、大国然と振る舞おうとしている者の多いことは甚だ危険である。将来この国が凋落を避けて発展していくためには、冷静に現在のわが国の客観的な立ち位置を見つめ、将来に備えるべきであろう。

 

 高齢の私には最早将来のこの国の姿を見ることは出来ないが、この国の将来を心配せずにはおれない。せめてアメリカの従属から離れて、この国のことはこの国で決められる様になり、国民の皆が等しくお互いに助け合う社会になって欲しいものである。

   ”あの世から見ているような九十五歳 祖国の姿にいらだたし”

 どう見ても、現段階では明るい未来は見通せないが、それでも私は「どんな夜でも、明けぬ夜はない」と思っている。