
今回の衆議院選挙は、人々の予想を越えて、自民党が三分の二以上の議席をを取る圧勝に終った。いよいよこの国の前途が心配になるが、どうして人々の予想を上回って自民党がこうも大勝したのであろうか。どうも時代が変わって、各党がそれぞれの施作を競い合うというより、特に若い人たちにとっては、SNSでの人気投票に近いといっても良いような選挙に変質して来ている様な気がする。
特に今回の選挙は、急に決まり、急いで選挙期日を決め、選挙の告示から投票日までが二週間と極端に短く、各党は揃って食品の消費税の停止ないし廃止を掲げたりしたが、他の政策議論を戦わす暇もないまま、短い選挙期間が終わってしまったので尚更である。
邪推すれば、今回の選挙は、初めから自民党が高市首相の人気投票に頼った選挙を企てたのではなかろうか。まだ政権発足以来日が立たず、殆ど具体的な政策も打ち出しておらず、初めての女性首相ということで人気が上がっているうちに選挙に出て、不安定な政権基盤を固めようとしたのではなかろうか。
最近の殊にに若年層のSNSに依存した投票行動をも意識して、まだ諸施作が始まる前に、高市首相の高い支持率があるうちに、人気投票?で足場を固めようと企んだのではなかろうか。
以前とは異なり、都議選の時の石丸伸二候補や、兵庫知事選の斉藤知事の復活などで見られたように、SNS依存の選挙戦を積極的に利用したのではなかろうか。選挙の前には高市首相が自ら「この選挙は高市首相で良いのかどうかを問う選挙だ」と政策ではなく、自らを売り出していたし、立候補者の政策討論会には欠席するなどで、政策ではなく、個人の人気を売り出しており、支持者らは早苗応援のうちわまで配っていた様で、政党への支持というより、高市首相の人気投票の感が強かったようである。
高市氏が2月1日にJR名古屋駅で「高市さーん」と声をかけられ、笑顔で手を振る動画がYouTubeだけで30万回を超えて再生されたそうだし、仲間と手分けして1日当たり約300本の選挙動画が複数のSNSに投稿された由。衆院選公示の先月27日から2月8日の投開票までの再生数は計約700万回に達したという記載も見られた。
それが自民党圧勝の原因なのではなかろうか。この先どうなっていくのか分からないが、今後も「〇〇推し」という人気投票の様な選挙が繰り返されることになるのではなかろうか。政治や社会のあり方にとって気がかりである。