天皇誕生日

 2月23日は天皇誕生日であった。テレビでは、皇居のガラス張りのベランダに立った天王が誕生日の挨拶をし、外にいる大勢に人たちが日の丸を振っている姿が放映されていた。

その日の丸の小旗が皆同じ、どこかで配っているのか、売っているのかだったのであろう。「この日の丸を振れ」と強制している様な感じがして、嫌な気分に襲われた。

 その日の丸の波を見ると、ついあの戦争を思い出さざるを得なかった。「勝って来るぞと勇ましく・・・」と日の丸の歌に合わせて、出征兵士を送り出し、転進、玉砕を繰り返し、国中焼け野が原になって、惨めな敗戦を迎えた嫌な記憶が蘇って来るのである。本当はもう日の丸を止めて別の国旗にして欲しかった。

 おそらく、他にも同じ思いの人たちも大勢いたことだろうが、いつの間にか、一部の人たちが国民の広い意見も聞かずに、勝手に日の丸をそのまままた国旗にしてしまった。

 もはや多くの国民が日の丸で良いというならそれで良いが、日の丸に嫌な記憶の結びついている国民のいることも忘れないで欲しい。テレビで毎日朝早く放送が始まる時に、日の丸が写し出されるが、今でも思わず目を逸らしてしまうし、オリンピックで日の丸が映っても、他の国の国旗に比べて見劣りがするし、目を背けたくなるのをどうすることも出来ない。

 また、天皇誕生日の1日後が上の娘の誕生日になるのである。産まれる時も天皇と同じ日になるのは嫌だと言って1日出て来るのを遅くして24日にしたのだと言ったものだったことを思い出す。私の誕生日が7月24日なので、それに合わせたとも言える。天皇と1日違いなので、ニューヨークに住んでいるが、その娘ももう六十六歳になるわけである。

 どんな人にしても誕生日は喜ばしい日だし、寿ぎたくなるが、天皇制はもうそろそろ終わりを考えた方が良い様な気がずっとしている。今の時勢はそれとは反対の方向へ動いて行きそうであるが・・・。