いつかの新聞に子供の声がうるさいからと言って公園を閉鎖した話が出ていた。またバスや電車で子供が泣き止まないので、周囲の人たちに迷惑をかけるのではないかと困惑している母親の姿も見かける。時には赤ん坊の泣き声がうるさいと言って文句を言う人のことも時々問題になる。
確かに子供の泣き声は高音で大きいので、日頃社会ののストレスでイライラしている様な人たちにとっては、耐え難いほどに思われることもあるかも知れない。
しかし、子供にはまだ自制力がなく、その時その時の本能的な刺激によって行動するので、それを無理やり止めることは難しいし、無理に止めることは子供の発達にも良くない。
それに何よりも、文句を言う方の大人の誰もがかっては子供であり、周りの事など考えもせず、本能の赴くままに行動していた時期があったことを思い出すべきであろう。自分がかってきた事を周りに禁じる正義はなかろう。それに子供たちは大人の将来を支え、引き継ぎ、発展させてくれるる貴重な後継者でもあるのだ。
成長して元気な大人になってもらうためには、大人は少々我慢しても、子供が好きな様に行動し、伸び伸びと成長できるように、見守ってやる義務があるとも言えるであろう。
星の王子さまを描いた サン=テグジュペリも「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない)」と言う様なことを言っていた。