自衛隊は国民を守るものではない

 災害時などには自衛隊が出動して、いろいろ救助活動をして、素晴らしい働きを見せてくれる。感謝の言葉もないぐらいである。

 しかし、そうだからと言って自衛隊がいつでも国民を救ってくれるかというとそうではない。自衛隊は国民のためにあるものでなく、国家権力、政府のためにあるもので、時と所によっては、国民を制圧し、政府の命令次第では、国民を殺害さえするものであることも知っておくべきである。

 かっての帝国陸軍や海軍を見ても分かるし、最近では、ミャンマーの国軍を見ても明らかなように、軍隊は政府あるいは自らの権力によって国民を拘束もするし、殺害することさえありうるものである。

 自衛隊も決してその例外ではない。現に、かってソ連の北海道侵攻に備えた図上訓練で、札幌近くにソ連軍が侵攻した場合、札幌は人口が多く守るのが困難なので、札幌は一旦放棄し、離れた場所まで退却し、そこで敵軍を迎え撃つということに決まったこともあった。

 また、最近は石垣島宮古島などにミサイル基地を作っているが、これらも島民を守るためのものではなく、ミサイル攻撃の基地を整備するもので、戦いとならば、島民はむしろ戦いの邪魔であり、出来れば追い出したいが、島民の退避の手立ては後回しのようである。

 さらには、自衛隊の宿舎は、原爆の放射線を浴びても生き残れるように、地下設備を準備することになったようだが、民間施設を全てそのようにする訳にはいかず、万一戦争になって、原爆が落とされたら、一般国民は殺されても、自衛隊は生き残り反撃出来るようにするらしい。本土決戦ともなれば、国民は殺されても仕方がないが、自衛隊は生き残って戦い続けられるようににしようとするものである。

 軍隊が国家のためのものであって国民のためのものでないことは、かっての大日本帝国の歴史を見れば明らかであるが、自衛隊が軍隊であることに間違いがなければ、当然、自衛隊も国家権力、引いてはその上部構造であるアメリカのために働くものであり、国民のために働くものではない。政府の命令によっては、国民に刃を向けることもあることを知っておくべきである。