ヒトラーもトランプも選挙で選ばれた

 テレビで戦前から戦畤にかけての映像をカラー化したものを放送していた。ヒトラーが総統になり、ナチス党が盛大な式典を繰り拡げ、無数の民衆が集まって、皆がナチス式の敬礼をしながら、ハイル・ヒトラーと叫んでヒトラーの演説に聞き入っている様を久しぶりで見た。

 見ているうちに、ふと現在のアメリカのトランプ大統領が大勢の支持者の前で声を張り上げて演説している姿が重なって見えてきた。

 トランプ氏は大統領になるや否や、パリ協定やWHOなど多くの国際協定から脱退する、USAIDはなくし、DEIは廃止する、性は男女二つだけとLGBTは否定するなど、折角の人類の発展に逆らい、パナマ運河を取り返す、カナダはアメリカの51番目の州にする、アイスランドを買うだのと言い、また、アメリカの関税を大幅に引き上げて世界の貿易秩序を乱そうとするなど、無謀とも言える施作を次々に打ち出し、更にはガザの住民を追い出して、アメリカが所有する、ウクライナの戦争を止めさせるとしてロシアとの会談を進め、ウクライナには援助の見返りに鉱物資源の権利をよこせなどと傍若無人の政策を進めつつある。

 それでも、多くの世界の人々はアメリカ国民が選挙で選んだ大統領だから仕方がないと思っているのかも知れない。しかし、ヒトラー総統も選挙によって選ばれた人物であったことを忘れてはならない。しかもアメリカは戦後ずっと世界に君臨?してきた国なのである。

 これまでに、人類が折角大きな犠牲を払って築き上げ、しかもアメリカが主要な役割を果たして築いてきた貴重な国際関係を、アメリカ大統領の一存で、世界の反対を押し切って変えてしまっても良いものであろうか。

 現在のトランプ大統領の方針は、いわゆる彼の言うMAGA政策で、世界の協調を無視してまで、なりふり構わず自分たちの政策を推し進めて、偉大なアメリカの復活を目指そうとするもので、周りの世界の迷惑を顧みようとしない暴挙と言えるのではなかろうか。ナチスが世界大戦や恐慌で失った栄光を取り戻そうと訴えていた映像と重なるような気がしてならない。

 日本政府は今の所、アメリカのご機嫌を損ねないように細心の注意を払って、事の成り行きを見守っているようだが、長年の従属国がどこまで自己の国民の要望を守って宗主国の指示に付き合えるか甚だ心許ないと思うのは私だけではなかろう。