ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカ議会で演説したときに勝手の日本の真珠湾攻撃を引き合いに出したことに対する反発が日本のネトウヨと言われる人たちからたくさん出ているが、それを読むと面白い。
引用させてもらうと、〈真珠湾攻撃したのは確かだけど、アメリカに石油とかの輸入止められて黙ってられる日本でもなかったでしょう 引き合いに出すのはおかしいな〉
〈はぁ?なぜか... ウクライナから流れ弾が飛んできたが... 真珠湾攻撃と今回のロシアによる ウクライナ侵攻は全く違う。 日本は当時、アメリカに石油と鉄を止められ追い込まれたから...ロシアの事情とは全く違います。〉
〈真珠湾攻撃になった経緯は日本への石油だの経済封鎖が引金だけどな〉
〈石油を止められ、国民が飢えるのを防ぐための自衛戦争。 相手の作戦にまんまと載せられた。(真珠湾攻撃情報はつかんでいた) 当時の上層部は、世界で初めて、人種差別撤廃と言う考えをもって、植民地諸国に対しても、占領搾取されてきた近隣アジア諸国に対しても、解放する、という信念があった。〉・・・・。
これらの意見はロシアの侵攻の言い訳と全く同じ論理なのである。アメリカの宣伝に乗せられた西側諸国では、まるで何もなかった平穏なウクライナに突然侵略したロシアが一方的に悪いという宣伝があまりにも広く拡がっているが、いくらプーチンが独裁者だと言っても、何の理由もなく平和な国に、いきなり攻め入るようなことはないであろう。
ロシアと西欧はナポレオン戦争や独ソ戦でも分かるように、古くからの対立関係があるところに、冷戦終結後の東陣営の崩壊、NATOの東方拡大が進み、歴史的に兄弟国家である、すぐ隣のウクライナ大統領にまで敵対するNATO加盟を言われては、最後の一線を超えたこととならざるを得ず、日本の真珠湾攻撃と同じところまで追い詰められて、武力行使に踏み込まざるを得なかったということのようである。
まさに日本のネトウヨが真珠湾攻撃を擁護するのと同じ論理なのである。彼らは期せずして、追い詰められたロシアを擁護することになっているのである。アメリカは、誰かが「煽り運転」だと言っていたが、ロシアを煽るだけ煽って、そこまで追い詰め、あとは自分は手を汚さず、ウクライナの人々を助けようともしないで、ロシアを経済制裁で締め上げようとしているのである。
平和な国に一方的に侵略したロシアの行為は許せないが、日本のメディアだけ見ていると、プーチンが極悪人で、一方的にロシアを悪者にしないと収まらないような空気だが、どんな戦争にもそれぞれ双方に言い分があることを知り、その上で冷静に判断しなければ真の理解には結びつかないであろう。