7月24日で私は満年齢で96歳になった。どう転んでも残りの人生は僅かになってしまったが、今一番欲しいものは何かと言われれば、何と言っても先ずは「日本の独立」ではなかろうか。
1945年の敗戦で、日本は主権を失い、米軍に占領され、それが終わった後までも、日米安保条約でアメリカの属国となり、もう戦後80年近くにもなるというのに、今だに完全な主権を取り戻せていない。
明治時代にも、維新の前からの外国との不平等条約で、各地に外国人居留地という国の主権の及ばない租界が造られていたこともあるが、40〜50年も経った私の子供の頃にはもうなくなっていた。戦後も、今は戦争に負けたのだから仕方がないが、臥薪嘗胆、40〜50年も経てば、また独立を回復出来るだろう。それまでの辛抱かと思っていたが、それが戦後もう80年になろうとしているのにいまだに続いており、いつ終わるのか見通しさえたっていない。
むしろ政府は日米同盟の強化だなどと言って、国民を欺き、不平等条約に寄りかかり、アメリカに追随し、その中でおこぼれに預ろうとさえしてきた。冲縄の基地問題などでも明らかなように、政府が国民の民意よりも、アメリカ追随を優先させていることは明らかである。しかも、その沖縄へ米軍基地を集中させることによって、日本国民の反対を逸らす目くらかましにもしているのである。
政府は日米が平等であるかの如く装って、日本の国民を欺き、押さえつけてまで、アメリカの手先としての役割を果たそうとしているのが、ずっと変わらない政府の姿勢なのである。アメリカに従属しながら、その中で自らを偽って、アメリカに取り入りながら、旧体制を復活させようとする傾向さえ見られる。
しかし、世界は確実に大きく変化して行っているのである。アメリカ一極支配は最早傾き、新しい世界の趨勢が頭をもたげて来ていることは否定しようがない。最早、現体制もいずれ変化せざるを得ず、新しい世界の趨勢に乗っていかねば、この国は生き延びられないことを知るべきであろう。
日米親善の破壊を主張するものではない。不平等条約を廃棄して、日本が真の独立国として、あらゆる国と主体的に平等な友好関係を保つことが不可欠となろう。最早、私の死には間に合わないであろうが、1日でも早く日本の独立が完成し、世界の平和に貢献できる日の来るのを願ってやまない。
いちばん欲しいものは自分の住んでいるこの国、日本の独立である。