正月が近づいてくると毎年にように「今年はどんな年だっただろうか」「自分にとって良かっただろうか」という反省とともに、「来年はどうだろう」「良い年になって欲しいものだなあ」という思いがするものである。
新聞や雑誌などでも、それに応えるように、年末から正月にかけては、今年の思い出や反省、来年の希望や抱負が語られることになる。その嚆矢として今朝の新聞には土曜日のページに、「2016年の自分に合格点をあげる?」という質問に対する読者の答えの統計が載っていた。
それによると「はい」が56%。「いいえ」が44%でほぼ拮抗していた。特別に急激な変化のなかった一年を振り返ってみると妥当な結果のような気がした。すぐ下に参考として2015年度の同じ質問に対する答えも乗っていたが、それを見ると、今年「はい」と答えた人の79%は昨年も「はい」と答えており、今年「いいえ」とした人のやはり79%は昨年も「いいえ」と答えている。
これをみると、本当の今年の運命の成り行きも良かったり悪かったり、人によって色々であったのであろうが、、過去を肯定的に捉えがちな人と否定的に傾きやすい人など、人による捉え方の違いも反映されているようである。結局のところ、新聞が見出しに使っているように、あまり代わり映えのしなかった「平凡な一年」の評価になったのであろう。
ただ興味深かったのは添えられていた「来年2017年が今年より良くなると思うかどうか」の統計の方であった。日本について「かなり良くなる」「比較的よくなる」を合わせても13%にすぎず、「あまり変わらない」が43%で、むしろ「悪くなる」ことを恐れる人が44%と半数近くなっているのが今の世相を反映しているように感じられた。
世界についての見通しもあったが、こちらはもっと悪く、「悪くなる」のを危惧する答えが半数以上の57%にもなるのは、イギリスのEU離脱や、アメリカ大統領選挙、いつまでも治らない中東の戦乱や、相次ぐテロの報道などを見れば、当然の結果とも言えるかもしれない、
あまり明るい来年を期待できそうにはないが、ただ、添えられていた「2017年が個人的に今年より良くなる?」の返事で、「今年より良くなる」とした人が64%と3分の2近くあったことは、「なんとか来年は今年よりもちょっとでもよくなってくれたら」という人々の切ない望みを表しているものであろう。