世代の長さ

 女房がこの3月2日で90歳になるというので、一昨日娘が近くのレストランで誕生日祝いをしてくれた。

 ところで、その娘が今月の終わりには還暦を迎える。その上、アメリカにいる孫が丁度30歳になった。90歳、60歳、30歳と丁度綺麗に30歳毎に並ぶことになる。もう一人上の娘が64歳になるので、正確ではないが、今時は、一世代がおおよそ30年ぐらいだということを表しているものの様である。但し、孫は未だ独身なので、この間隔は次の世代にはもう通用しない。

 一昔前までは一世代はおよそ25年くらいと考えられていたものである。 ところが今や世界的に、ことに先進国では、婚姻年齢が遅くなり、世界的に少子化が問題になってきており、必然的に世代の交代も遅れていくことになるのであろう。

 若い女性はクリスマスと同じで、24歳までが華で、25歳を過ぎるともう婚期を逃してしまっているなどといわれていた時代もあったが、今や結婚する女性の年齢も遅くなり、30歳超えの花嫁も珍しくないばかりか、結婚自体をしない女性も増えている。

 世代間の間隔が25年間ぐらいだったわけだから、その頃なら75歳、50歳、25歳といったものであったのであろう。当然80代、90代ともなればひ孫も出来、子供の数も多かったので、正月などには大家族が一堂に集まる様な機会も多かったことであろう。

 以前、私の小学校の最後のクラス会をやった時に、昔の土地の旧家の息子だった友人が、

自分を中心にして写した大家族の記念写真を見せてくれたことがあったが、それが私が見た大家族の最後の記録となってしまった様である。また、私の父が90歳を超えてから、ひ孫のいないことを嘆いていたが、今の私はそれを嘆く気にもなれない。

 行き詰まった資本主義のこの世が此の先がどうなっていくのか心配であるが、それとともに多くの国が少子高齢化し、人口減少が進んでいく先には、どんな世界が人類を待ち受けているのであろうか。最早、私が確かめることは出来ないが、あくまで希望は持ちたいが、果たしてどうなるか不安も拭いきれない。