謹賀新年

     

 今年の賀状です。この歳になると最早「もういくつ寝るとお正月」といった期待も、今年の抱負などといった夢もありません。よくぞここまで生きて来たものだと思うばかりです。

 振り返って言えることは、わが青春を裏切られた神国、大日本帝国の崩壊の傷跡は今も残っていることです。今また新しい戦前などといわれるようになってきましたが、戦争だけは絶対にしてはなりません。アメリカの帝国主義の犠牲になって、同朋に死人が出る様なことは何としても避けたいものです。

 しかし、戦争は一段一段と長い積み重ねの上に起こるもので、ある段階を超えてしまうと、もう誰にも止められないものです。私は最早それまでに無と化すでしょうが、長く生きて来たこの国の人々が再びその人生を破壊される様なことだけは想像したくもありません。

 人殺しは平和な世界ではどこでも許されません。どうか手遅れにならないうちに一人でも多くの人たちと声を挙げ、戦争への道を阻止したいものです。