イスラエルによるパレスチナのジェノサイドを許すな

 ナチスドイツによる残虐なユダヤ人のホロコーストは今では世界中の人が知っている。しかし、それが実際に行われたのは過去のことであり、それがあったことを私が知り、世界中の人人が知ったのも、過去の歴史としてである。その人間とも思えない行為に人々は怒り、ドイツ人はそれを恥じて、当事者に変わり戦後も長い間、現在に至るまで謝罪を繰り返してきた。人々は最早二度とは起こらないだろう悲劇だったのだと思っていた。

 ところが今回のハマスイスラエル攻撃の反攻として始まった、イスラエルガザ地区での攻撃は、パレスチナ人が密集して住む都会への空爆、病院までをも標的とした攻撃で、万を超える住民、中でも多数の女性や子供たちをも殺したり、拉致し、あまつさえ病院でも医師や医療関係者、入院患者までも殺す、正にジェノサイドが現在行われているのである。

 短時日の戦闘休止も行われたが、終われば、戦闘はイスラエルパレスチナの住民に避難を呼びかけた南部にまで広げられ、さらに人々の犠牲を増やしている。正にイスラエルによるパレスチナ住民に対するジェノサイドが現在世界中の人の眼前で行われているのである。

 現在この世界に生きる人間である以上、これに反対せざるを得ない。にもかかわらず、アメリカはイスラエルを支持するといい、ドイツや他の国もそれに同調して沈黙を守っている。日本政府もアメリカに遠慮して、このジェノサイドを黙認している。国連も戦後の朝鮮戦争の時には、国連軍を作って北朝鮮に攻め入った歴史もあるのに、今回は口頭の避難だけで積極的に介入しようとしない。

 かってのナチスによるユダヤ人のホロコーストが人道上許せないとして非難した世界の人々は、ここで現在行われているジェノサイドに目を瞑ってはならない。文明人である限り、今行われつつあるジェノサイドを許すわけにはいかない。世界中でこのジェノサイドに対する反対の声があがっているにもかかわらず、イスラエルはこれを止めようとはしていない。

 怒り心頭に達するが、反対の声を挙げてはいるが、そうかと言って遠くで行われていることにどうすれば良いか。SNS上では反対しているが、それだけではあまり力にならない。せめて日本政府が反対するよう声を挙げよう。それでも、アメリカ政府がイスラエルを支持している限り、実効性のある反対の力を集めることは困難である。

 しかし、それでもせめて現在を生きている一人の人間としては、いつまでも絶対に忘れないこと、時期が来れば、必ずやこの人非人に人類の名において、この加害の責任を取らせることを忘れてはならない。かってのナチスドイツのユダヤ人のホロコーストが人類にとって許せない行為であったと同様に、今回のイスラエルによるパレスチナ人のジェノサイドも絶対に許せない人類への犯罪である。

註:「ジェノサイド」とは国家や民族の死滅を目的とした計画的破壊行動を指す言葉。ホロコーストはかって起こったナチスドイツによるユダヤ人の大量殺戮をさす言葉であり、もしこれから国家による大量殺戮が起きても「ホロコースト」とは呼ばれず、「ジェノサイド」と呼ばれるようになるだろうということです。