近頃の若いカップル

 我が家の近くは老人の街になってしまっていることをこのブログでも書いた。しかし、人口構成が変わり老人っが多く若年者の割合が減ったと言うことで、若い人がいなくなってしまったわけではない。

 我が家の近くにも、幼稚園もあるし保育園も複数見られる。若いお母さんが今流行りの幌つき座席をつけた電動自転車で子供を幼稚園に送り迎えする姿も見られる。

 時にはベイビーサークルに車輪をつけたような乗り物に子供を何人か乗せて、保育士の人がそれを押し、歩いている幼児も連れて、保育園の園外活動をしている姿に出会うこともある。違った施設でも同じようなことをやっているので、今の流行りの方法なのであろう。

 それはそうとして、以前は幼稚園や保育所は殆どが母親が一切世話をしていて、父親が関わるのは園の催しがある時ぐらいのものだったが、最近は明らかに違ってきた。朝方、父親が幼児を自転車に乗せて、あるいは一緒に歩いて幼稚園に連れて来ているのをよく見かけるようになった。朝の出勤前に父親が子供を幼稚園に届けて、その足で会社へ出勤するようである。

 また日曜日など、近くの公園で子供を遊ばせている親も、皆と言って良いほど、お父さんである。共稼ぎの核家族では、日曜の朝は、奥さんは洗濯物や、溜まった家事をこなさねばならない。中には日曜の朝ぐらい朝寝をしないと体がもたない人もいるかも知れない。その間、お父さんが子供の面倒を見ることとなり、近くの公園で遊ばせるということになっているのであろうか。公園で何組か見ても、皆決まって付き添いはお父さんである。

 また通りで出会う赤ん坊連れのカップルも、昔だったら赤子を抱いてるのは母親と決まっていたようなものであったが、最近出会った夫婦は、皆揃って申し合わせたように、父親が子供を抱き、女性がオムツなどの入った袋やカバンを持っていた。

 男女同権と言われて久しいが、実質的な同権はなかなか進まなかった。ところが、今や親子だけの核家族が殆どとなり、共働きが普通になってくると、家庭でも、嫌でも男女が共に家事を分担しなければ日常生活が回らなくなり、男女同権が実質的なものになって来たようである。社会も嫌でもそれを受け入れないとやっていけないようになって来た。

 男女同権に関わらず、人種差別、 LGBTその他の差別や偏見などの解消も、先進的な人たちが主張し、声を上げて理を解いても、社会的にはなかなか進まないものだが、社会が変わり時代が変化すると、それが後押しをして意外に変化が促進され定着していくもののようである。

 序でに、ここで書いておきたいのは、昔は幼児は帯で縛って背負うもので、ねんねこなどと言われるものが流行っていたが、今は赤ん坊を背負っている人など全く見なくなってしまったことである。今や、赤ん坊たちは母親が活動する時には、全て母親のお腹の前にくくりつけられたり、袋ようなものに入れられて運ばれている。

 昔の女性は子供を背負って家事をしたり、場合によっては農作業までしたもののだったが、赤子を胸に抱いていたのでは仕事にならないので背負うことが合理的だったのであろう。それが今や、時代が変わって幼児を背負って仕事をしなくてもよくなったので、前抱き全盛の時代になったのであろうか。

 どちらが幼児にとって良いのか知らないが、同じ前抱きでも、幼児が前を向いているのと、母親の方を向いているのと、どちらが良いであろうか。幼児のふれあい感覚などの母子関係や、抱いたまま母親が転倒した時の安全性など、どこらまで検討されているのだろうかと、つい想像してみることになる。