新春顔見せコンサート

 西宮北口にある兵庫県立芸術センター(PAC)では、毎年正月に、新春顔見せコンサートと銘打って、年に数回行われている、ワンコイン・コンサートの今年度の出演予定の、若手の音楽家達のお披露目公演を行なっている。

 もう長く続いているが、私たちはPACの創設以来の会員でもあり、時々新年の余興に参加させて貰っている。いくつかのプログラムの中で、いつも一つぐらいは風変わりな音楽もあったりして、楽しみにしている。

 今年は最初に和太鼓とマリンバの共演があり、結構楽しめた。和太鼓の力一杯な大きな低音の響きに、マリンバの高い微妙に変動する響きがうまく溶け合って、なかなか面白かった。和太鼓を演奏として聴く機会も稀だが、マリンバとの共演は初めて聴いた。

 和太鼓とマリンバでは歴史も演奏方法も全く異なるが、打楽器同士の共演で思いの他うまく協調していて良かったが、今後、さらに発展させていって欲しいものだ。また今後はもっと他の弦楽器や管楽器との共演なども工夫次第で考えられるのではなかろうか。

 このコンサートではこれに続いて、ヴィオラソナタファゴットによるスケルツオ、メゾ・ソプラノによるカルメンのハバネラ、休憩時間を経て、更にトランペット、チェロ、ピアノ、ヴァイオリンと色々な音楽が聴けたし、いずれも現役の若手の奏者の演奏であり、楽しいひと時を過ごせた。

 ヴィオラファゴットのソロの演奏を聴く機会は比較的少ないし、チェロでは、『無伴奏チェロのための「BUNNRAKU」』という、一風変わった文楽を思わせる演奏を聴くことが出来た。

 正月で、しかも低料金であるためか、毎年会場は満員であるが、今年はコロナもインフルエンザも流行っており、会場で咳をする人もいたりして、会場は少し寒いぐらいで良く換気されていた様ではあったが、矢張り感染の危険性も少しばかり気にならないではなかった。

 ただ、ホールの空間は広く、皆さんマスク着用は百%守ってられる様だったので、まず大丈夫ではなかろうかと思って、コンサートに集中して楽しむことが出来た。