One Coin Concert

  西宮北口兵庫県立芸術文化センター(Performance Art Center,PAC)は出来た時から会員になり、一番よく利用する音楽劇場になっている。そこでいつからかOne Coin Consertという催しが始まって、もう大分長くなる。 

 コイン一枚500円で約一時間ぐらいの音楽会を月に1〜2回ぐらい開いている。近隣の人たちを対象にPAC の宣伝を兼ねて始められたものらしい。初めの頃はこれで採算が取れるのであろうかと勝手に心配もしたが、何とか続いているので、時たま利用している。池田からの往復の電車賃を加えても一人980円で生の音楽が聴けるのだから嬉しい。

 大ホールは2000席あるので、満員入るとして百万円、実際にはまあ7−8割の入りとして70万から80万円。若手の音楽家を呼ぶとしても、出演料に会場費、宣伝費、人件費、事務費など払うとトントンで行ければ良いというぐらいであろうか? 

 定期的に送られてくるパンフレットを見て、時に聞きに行くようにしている。多くは新進気鋭の若手の演者が登場するのだが、まだあまり知られていなくても、演目にもよるが、時には将来有望な才能に出くわすこともある。

 一番最近は12月1日久末航(ひさすえ わたるという)というベルリン在住の奏者によるピアノ独演であった。演目は、

ショパン  即興曲第一番と舟唄

シマノフスキ「メトープ」のセイレーンの島とナウシカ

メンデルスゾーン スコットランドソナタ

リスト リゴレットによるパラフレーズ

 まだ若そうだが、中々達者な演奏で、将来が期待出来るのではなかろうかと思われた。ショパンメンデルスゾーンはそれなりに馴染みもあったが、間に挟まれたシマノフスキはこれまであまり聴いたことがなかったが、あまり派手さがなく、落ち着いたどちらかというと地味な音楽だったが、中々良かった。

 帰宅してからシマノフスキについて調べてみたが、音楽のエンサイクロペディアのようなところにあった同じ曲の音楽を聴いてみたが、生の音と録音された音ではこんなに違うものかと改めて感じ、途中で聴くのを止めた。やはり、音楽は生で聴くに限るようである。