フルート、ヴィオラ、ハープのサロンコンサート

 我が家から歩いて行ける範囲に二ヶ所も音楽ホールがあるのが嬉しい。一つは隣町と言っても、すぐそばを流れる猪名川を渡れば、すぐの所に「みつなかホール」という5〜600人収容出来るホールがあり、もう一つは池田の小林一三邸の近くにある「マグノーリアホール」である。こちらはこんまりとした家庭的とも言える小ホールである。

 催し物によって、どちらも時たま利用させてもらっているが、今回は「みつなかホール」でハープとヴィオラとフルートのサロンコンサートがあったので聴きに行った。ほぼ定期的に行われている会なので、主として演目を見て行くことにしている。いつもは飲み物と菓子付きの演奏会であるが、今はコロナのために入り口で瓶入りの飲み物を選び、帰り際にお菓子を渡してくれることになっている。

 それはともかく、今回聴きに行ったのは、ハープはオーケストラで稀に聴くことはあっても、それがメインな機会は少ないので、ハープの演奏を聴きたかったから行ったようなものであった。五十人ばかりの小さなコンサートだったので、ゆっくりハープの独特の音色を楽しむことが出来た。

 ハープはポロン、ポロンという短音で奏でられる音も素敵だが、グリッサンドとかいうらしいが、左右の手でハープの弦を滑らせるように弾く、ポロロローンと言ったような余韻豊かな爽やかな音が美しく、何と言っても魅力的である。

 関西フイルのメンバーによるフルート、ヴィオラとハープの三重奏で、コンビもよく、クラッシックの演目の他、日本の民謡まであり、ハープという楽器の可能性の幅の広さにも興味が湧いた。

 ハープの楽器の説明もあったが、ペダルが七つもあるとは知らなかったし、弦が47本もあることも初めて知った。弦がもっと少ないものや、ペダルのないものもあるようだが、このオーケストラなどでも使われるハープはダブル・アクション・ペダル・ハープというらしい。 ハープは世界最古の楽器ともい言われるそうで、紀元前からあるようだが、十八世紀になって今の形が出来上がったとかいうことであった。

 それにしても、47本の弦、6オクターブ半という音域を持っていて、7本のペダルまで揃っているので、腕だけではなく、両足でペダルを踏みかえ、腕を長く伸ばしたり、また縮めたりと、全身運動をしているような演奏をするには、なかなか大変な楽器だと思わざるを得なかった。それにあのような大きな楽器は重さも50kgもあるそうで、とても簡単に持ち運び出来ないし、運送するだけでも大変だろうと思われる。

 ハープのあのグリッサンドの音色は忘れられないが、ハープの楽器についても少しばかり知識を得て幸せなひと時であった。