悪寒戦慄

 しばらくこのブログに穴をあけてしまい失礼しました。実は最後の4月15日の”失神発作”のブログの最後に『「二度あることは三度ある」とか、「三度目の正直」という言葉もある。一日二日、様子を見てみようと、どこにも行かず家で静かにしていることにした。』と書いたが、その通り、実際に気を失ったのが11日の夜のことだったので、13日の約束もキャンセルして、家でしばらく様子を見ることにした。

 しかし、体調に変わりはなく何事もなかったので、14日金曜日には、もういいだろうと思い、もう2年ぶりに梅田まで出て、発作のために行けなかった映画を見、序でに、新しく開業した阪神百貨店のビルの様子を覗いて帰ろうと思って出かけた。

 やっぱりコロナは怖いので、二重マスクで、杖をつくので手袋までして、出勤時間帯直後を狙い、朝一番の映画を見て、昼前に食事を軽く済ませ、新しい阪神百貨店の売り場をさっと見て、出来るるだけ早く引き上げて来た。夕食も普通に摂り、いつものように7時過ぎにはもう機嫌良く寝についた。

 そこまでは良かったのだが、翌15日の早朝というか、まだ真夜中、寒気がして、何とも言えない気分の悪さに目が覚めた。どうしたのかなと思っている間もなく、全身がガタガタ震え出した。トイレに行ったが、全身の痙攣のような震えが止まらない。いわゆる「悪寒戦慄」である。

 長らく医者をやって来たので、患者さんの悪寒戦慄は何度も見てきたが、自分で経験するのは初めてである。以前から怖そうな気持ちの悪そうな呼び方だなと思っていたが、経験してみると、成程こういう名称をつけたくなるような気持ちの悪い、恐ろしい経験である。殆どの場合、続いて高熱がやってくるのである。

 案の定、すぐに体温計は39.9度の高熱。えらいことである。しかし熱の他には何もない。こういう急激な発熱は殆どが感染症である。久しぶりで大阪まで行ったところなので、まずはコロナを考えなければならない。

 そうとすれば、最近は殆ど一日中一緒にいる女房が心配であるが、彼女は平気で、こちらを心配し、先日の発作のこともあるので心細そうだが、元気でこちらの世話をしてくれる。

 コロナについては日頃から細心の注意をしており、外出は殆ど近くだし、マスクもいつも二重にし、メガネ、手袋までしているし、帰宅時には手洗い、洗顔まで欠かしていない。

 それに悪寒戦慄による急激な発症はコロナには少し相応しくなさそうだし、今日の梅田行きが感染の機会としては、あまりにも早すぎる。熱の他には何も症状がないが、強いて言えば、老人で残尿などがあるようだから、尿路の感染症が可能性としては高いのではなかろうか。

 眠れぬままにあれこれ考え、夜が明けるのを待ち、近くの医師に抗生物質とコロナの抗原試験のセットを貰い、結果の判る月曜日の朝まで様子を見ることにした。

 心配なので症状にも気をつけ、体温とともに酸素飽和度まで測って様子を見たが、熱の他は”しんどい”だけで、喉も痛くないし、咳も出ない。日曜日からは食事も普通に取れるし、排便排尿も普通である。

 月曜日9時に医師から電話があり、抗原検査が陰性だったことを告げられる。偽陰性のことも考えられるが、まずは一安心。熱も37度台に下がったし、咳などの症状も出ないし、酸素飽和度も95%ぐらいに保たれている。

 コロナを否定し去るわけにもいかないので、引き続き自宅で様子を見ることにした。水曜日までは37度後半まで出ることもあり、咳も時にはあったが、その他はあまりにも症状がなさ過ぎる。食欲もあり、快食快便であった。

 木曜日の朝には平熱になったので起きて、普通生活に戻ろうとしたが、起きていると少し”しんどい”ので午後はまたベッドに入った。微熱があったが、その後も順調で、今日、金曜日はゆっくり起きて、少しずつ動き、このブログを書くところまで辿り着いたわけである。

 結局、悪寒戦慄に続く高熱が何であったのか、結局分からないが、前にこのブログに書いた失神発作が11日のことなので、自律神経が関与している疑いも強い。ただ抗原検査が陰性だったにしても、時節柄、コロナを否定するわけにもいかないので、しばらく自宅療養を続けて、日を置いて受診し、血液検査なども受けてみようと思っている。

 幸いなことに、たまたま、今日の深夜になるようだが、娘がアメリカから帰って来てくれるので一安心である。もう女房に心細い思いをさせなくても良いし、仮にコロナになったとしても心丈夫である。もう略百%大丈夫だと思うが、これで大段落。めでたし、めでたし、と言いたいところである。