コロナのお蔭で風邪ひかない

 コロナが流行り、遠方への外出を控え、もっぱら自宅の周辺で生活するようになって、もう2年以上になる。それが当たり前になってしまって、その間、大阪市内へも殆ど行っていない。今はまた、オミクロンの第6波で3回目のワクチンを打つやらで、老人はもう少し様子を見ないと、まだ遠出などは避けておいた方がよさそうな気がしている。

 私の場合には、このコロナの流行の上に、その直前に起こった脊椎管狭窄症のためか、それが良くなっても、歩く速度が遅くなり、疲れ易くなり、休みを入れなければ、遠道が無理になってしまったので、尚更昔のようには出歩かなくなってしまった。

 そのお蔭かどうか知らないが、ひょっと気がついたのだが、去年も今年も冬になってもまだ一度も風邪らしい風邪を引いていない。

 以前まだ現役で診療をしていた頃には、一冬に大抵2回ぐらいは風邪を引いたものであった。12月に1回、2月か3月の初め頃にもう1回ということが多かった。いづれも軽く済んでいたので、あまり気にしていなかったが、恐らく診察の折にうつったものであろう。

 診療をやめてからも、相談業務のようなことをしていたこともあってか、毎年インフルエンザの予防注射はしていたが、年に一度や二度位は鼻がぐずったり、喉が痛かったり、咳が出たりといったぐらいのことはあるのが普通だった。

 それがどうだろう。この2年間全く風邪を引かなくなってしまった。寝込むことはおろか、上気道の症状も全く起こらなくなってしまった。仕事を辞めて家にいることが多くなり、休養が従分取れていることや、コロナのおかげで手洗いやうがいの励行、三密を避け、人との距離をあけ、出かける時には必ずマスクを着用していることなどがが関係しているのであろうか。

 そういえば、これは私だけのことではなく、社会全般でもコロナが流行してから、インフルエンザの流行が見られなくなったことは統計的にも見られるし、例年電車に乗ったりすると、冬にはよく咳をしている人がいたものだが、このところ駅や車内で咳をしている人を殆ど見かけない。

 咳をしたらコロナを疑われるので我慢している人もいるだろうが、日本人はおおむね真面目で、殆どの人がマスクをしているので、実際にコロナの感染防止がインフルエンザや風邪の予防にも役立っているのではなかろうか。

 コロナの流行がインフルエンザの流行を抑える特別な関係があるのかも知れないが、兎に角、コロナの流行とは反対に、インフルエンザの流行が抑えられているのも確かなような気がする。アメリカでも2019年の秋には、インフルエンザが例年になく流行し問題になっていたぐらいだが、その後コロナが流行ってからは、インフルエンザがどこへ行ってしまったのか、聞かれなくなってしまっている。

 コロナの上にインフルエンザまで流行っては大変だが、どういうメカニズムかは分からないが、インフルエンザも風邪も減ったことは有り難いことである。