足を引きずり嵐山の秋へ

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 今年の秋は10月の末から脊柱管狭窄症になったらしく、歩くと右足が痺れてきて、途中で一服しないと先へ進めないようになってしまった。年を考えれば仕方がないが、来秋にはひょっとしたらもう紅葉を見に行けなくなるかも知れないと思い、足が悪くても行けるうちに、紅葉を楽しんでおきたいものと、先日は箕面へ出かけたが、今度は朝のテレビで嵐山の紅葉を写していたのを見て、急にまた行きたくなり、早速女房と一緒に出かけることにした。

 足の都合があるので、嵐山といっても、JRの線路を越えて、常寂光寺や二尊院、落柿舎あたりまでは無理だろうから、川沿いに少し歩いて、天龍寺ぐらいまで回って来てはと思って出掛けた。最近、渡月橋の近くに福田美術館というのが出来たというので、そこを覗いて見るのも一つの目標であった。

 阪急で嵐山まで行き、ゆっくり歩いて中之島に辿り着き、ベンチに座って一休み。天気も良かったので大勢に人で賑わっていた。半分以上が外国からの旅行客のようであった。渡月橋の袂で、若い中国人らしいカップルが河原に降りて三脚を立てて、自分たちの写真を撮っていた。昔、女房とよく外国へ旅行に行ったことを思い出し、恐らく、あのカップルもそんな感じなんだろうと思ったりした。

 渡月橋も満員の感じだったが、人波について何とか休まずに渡ることが出来た。そこから川に沿って左へ進み、最初は福田美術館に入る予定だったが、入り口が分からず、そのまま進み、宝巖院まで行き、その入り口から庭園に入った。この庭も紅葉と苔で有名なだけあって、大勢の見物客で賑わっていた。紅葉は丁度見頃で、夜間参観も実施しているようであった。

 しかし回遊式に通路が決まっているので、人々はスムースに流れ、私たちは休み休み、ゆっくりと紅葉を楽しむことが出来た。この宝巖院のお庭の紅葉の写真が初めに掲げた写真である。また、平成に出来た新しい本堂では、お寺にはそぐわないような幻想的な田村由里子の襖絵を見ることも出来た。

 宝巖院を出て、紅葉のトンネルになった道を通って天龍寺へ行く道があるが、紅葉には堪能したことだし、足の事も考えて、無理をしないで、そこから静かな、こんな所に住んでみたらと思われるような裏道を通って、福田美術館へ着いた。

 ここはアイフルの社長が集めた日本画を展示した、まだ最近出来たばかりの美術館で、建物は元日建設計にいて、箱根のポーラ美術館を手がけた人の設計だとかで、モダンなガラス張りのような建物で、小高い所にあるので、そこからの保津川の眺めが素晴らしいらしい。ただ、ここも混み合っていたので、少し見物するだけで、また河岸へ出て帰ることにした。

 帰途も休み休みで、中之島ではホカホカの赤い焼き芋を食べたりした。それでも全行程で1万歩ぐらいにはなるが、何とか行って来れた。早昼を済ませて出かけ、帰宅したのが2時半だったのでわずか3時間ぐらいの行程だったが、十分心行くまで嵐山の紅葉を楽しみことが出来た。