報道の自由

 報道の自由について、国境なき記者団(RSF)によると、日本の報道自由の指数は世界中でこれまで68位だったのが70位に下がったと朝日新聞に出ていた。最近の日本での報道を見ているとなるほどなと思わざるを得ない。

 丁度、この間、5月3日は憲法記念日で、一昔前までなら、毎年憲法記念日の集会の様子が新聞の一面を飾っていたのに、今年は購読している朝日新聞の少なくとも一面には写真はおろか記事さえ載っていない。

 いくら何でも、もう憲法記念の集会をやっていないわけはなかろう。どうして新聞にも載らなくなってしまったのだろうとぼんやり思っていたら、SNSで、中国で日本の憲法記念日の集会の写真が出ているではないか。それも3万人以上も集まっっている写真まで添えられているのである。

 一体どうしたことだろう。最近は政府にとって好ましからざる出来事は大勢の人が見ていても記事にならないことが多い。安倍内閣の頃から政府の報道機関に対する不当な圧力がかけられることが多くなり、テレビのキャスターが番組から下ろされるようなことも続いたし、政府の新聞社に対する干渉も強くなってきたことがニュースになったこともあったが、そんな政府の圧力の結果が咋今の報道の偏向に関係があるのではなかろうか。

 自民党公明党、維新の会などが改憲を目指して、国会でも憲法改正の話が持ち上がり、憲法を遵守すべき政府や国会議員が率先して憲法改正を進めようとしており、岸田首相まで改憲を公然と口にしていることからすると、政府の圧力に屈した新聞社などが政府に迎合した報道へと偏ってきていることを推測させる。

 更には、SNSを見ていると、「日本のメデイアはCIAが牛耳っている」としてアメリカの駐日大使であるエマニュエル氏が米・イスラエル二重国籍者として挙げられている写真が出ていた。どこまで真実であるか詳しいことは知る由もないが、悪名高いCIAが日本の政治分野の裏世界で活動していることには間違いなかろうから、当然そういうことがあるだろうことも考えられる。

 最近の色々な報道を見ていても、ウクライナイスラエルの戦争に乗っかって、今にも台湾ででも戦争が始まりかねないような報道が多いが、それらは中国の台頭を抑えたいアメリカの対中国包囲網政策に載せられて、危機感を煽っているのが実情ではなかろうか。

 今こそ戦争の準備よりも、自主的な対中国をはじめとする外交にこそ力を入れるべき時なのではなかろうか。岸首相も台湾を認めているからといってパラグアイへ行くより中国へ行って、今こそ友好関係を深めることの方が日本の将来にとって、はるかに重要でなのではなかろうか。

 世界は動いている。アメリカ一極支配も最早揺らいでいる。日本の報道もアメリカ一辺倒ではなく、中国や他のBRICS諸国などからの直接の情報にも耳を傾け、国民にもっと客観的な報道を伝えていく必要があるのではなかろうか。