東京都知事選挙

 東京都の知事選挙が始まった。東京のこととはいえ、国政にも大いに関係のあることなので無視は出来ない。今回は問題の多い小池都知事の3選がなるか、出鱈目な国政の自民党の不人気に乗じて、革新の蓮舫氏が勝ち取るかの争いとなるであろう。

 小池知事は都の自民党とは袂を分かって知事になったが、本来は自民保守系で、今回も「荻生田百合子」と揶揄されている如く自民党と密接に繋がっており、荻生田氏を介して問題の統一教会とも深い関係があるとか言われている。

 現在もあの巨大な都庁の建物に光を当てて、プロジェクトション・マッピングが行われている様だが、どのぐらいお金がかかるのだろうかと思っていたら予算は七億円だそうである。東京の名所などのマッピングなどで観光用の宣伝として規模も世界一だそうである。

 ところがその同じ都庁の前では、以前から生活困窮者たちへの「自立生活サポート・もやい」や「新宿ご飯プラス」などといった団体が、毎週土曜日だかに、食品配布と相談会を行なって来ており、七百七十人以上の人たちが行列を作っている姿が見られたのだそうである。こちらは打って変わった貧困対策で、それも有志のボランティアによるものであるが、こちらには都庁からの配慮は交通整理のコーンを並べて来訪者の邪魔をするだけで、小池知事は一度も顔を見せたことはないそうである。

 これに対し、蓮舫氏は都知事選挙が始まり早速訪れているというのにということらしい。両者の姿勢も対照的だが、「プロジェクション・マッピング」と「生活困窮者への自立生活支援」に対する態度を見てもはっきり分かれていて興味深い。小池知事は電通などとの関係が深く、それが都庁の大規模なプロジェクション・マッピングになっているのであろう。

 また都庁からは14名も三井不動産などへ天下りしており、それが多くの樹木を伐採し高層ビルなどを建てようと進めてきた神宮外苑再開発の問題となっている様である。その他にも知事が都議会での質問に対して無視して答えないなど運営にも色々問題点が多い様だが、また、従来、続いてきた関東大震災時の朝鮮人虐殺への追悼の辞を断ったりしている様なこともある。

 さらには本人自称のカイロ大学主席卒業などという触れ込みも嘘のようで、元側近の小島氏が最近、刑事告発しているし、カイロ時代の友人も経歴記載違反を指摘している由である。

 自民党はこの都知事選挙で荻生田氏を中心に組んで、国政での失政を取り戻そうと考えている様だが、それを許してはならない。ロッキード事件以来と言われる不正な裏金問題の解明なしに、これ迄にもましての「ざる法」である政治資金規正の改正法をそのまま定着させてしまってはならない。