自民党の裏金事件、うやむやにさせるな!

 自民党の派閥の裏金事件は政治資金をめぐる構造的な政治資金問題であり、パーティの集金の一部を長年にわたって常習的に記載もなしに議員へキックバックしていたことは明らかに政治資金規正法違反であるが、これは自民党の組織的で長年続けてきた違法行為であり、誰から見ても道義的にも許されない行為である。

 にも関わらず、検察はまたしても、会計責任者にのみに罪を着せて政治家への法的追求を辞めてしまった様である。しかし、これは単に裏金を作ったという形式犯で、贈収賄事件などではないからと軽く見るべきではない。政治家の裏金問題は国民を欺き、国民の委託により行なっている政治を裏切るものである。自民党一党支配が続いているので、政権交代を恐れることもなく裏金を作っても平気だということになる。

 これまでも自民党は似た様な事件を起こしながら、いつも政治責任をうやむやにしたまま、今日まで一向に政治的姿勢を改めてこなかったが、今回も同様に、これだけ組織的な違法行為を繰り返しながら、検察の動向を見て、今回も責任をうやむやにしたまま、蜥蜴の尻尾切りでこの場を乗り切ろうとしている様である。

 常識的に見ても、政治家が自分の政治資金の主要なものについて、全て会計責任者に任せ切りで、自ら全く関与しない様なことが考えられるであろうか。国民の誰から見ても、その様なことがあり得ないとするのが常識であろう。検察審査会への申立てなども想定されるが、かかる大規模で組織的な裏金作りをしながら、政治家の責任が一切問われないならば、再び同じ様な行為が繰り返されるであろうことは必定であろう。

 国民も沈黙を守っていてはならない。議会での追及は勿論として、公正な政治や社会を傷つける政治家には退場して貰い、健全な政治や社会を維持していくために、団結して声を上げるべきであろう。一時的な派閥解消などの表面的な手直しで誤魔化そうとするのを許してはならない。民主主義を守り、公正な議会政治を維持するためにも、検察の正当な責任追及を促し、全面的な事件の解明と、再発防止策を策定させ、問題の国民への丁寧な説明がされるべきであろう。