何故与那国島にミサイル基地や島嶼奪回訓練が必要なのか



 与那国島自衛隊アメリカ軍と共に占領された島の奪回作戦の演習をしたそうだが、そんな生臭い演習をする必要が今あるのだろうか。

 尖閣諸島は戦争してまで守らなければならない無人島なのか?外交交渉で決着のつけられる範囲のことではないか。尖閣無人島のことは戦争まですべきようなことではないだろう。それに、敵基地先制攻撃をすれば当然報復攻撃があることを覚悟しなければならない。

 仮に中国が台湾に武力攻撃をしたところで、台湾は日本の領土ではないし、日本は台湾が中国の一部であることを正式に認めているのだから、日本がそれに関与する必要もないし、他国の国内の戦争に日本が関与してはならない。

 仮に台湾に近い尖閣諸島与那国島が台湾紛争に巻き込まれたとしても、それは外交交渉によって解決すべき問題であって、軍事で対応すべきことではない。それに小さな孤島で基地や住民を守れるはずもなかろう。再び沖縄戦のように日本本土を守るために島を犠牲にしようというのであろうか。

 こちらから先制攻撃をしたら、必ず反撃を受けることになる。島の住民はどうなるのか?自分たちは生まれ育ってそこで生活してきた故郷を捨てて、どこかへ逃げなければならないのか。命が惜しければ逃げざるを得ないが、独力では逃げられない、国は島民全員が逃がれられるように助けてくれるのか。

 それよりも前に、現在中国にしても台湾にしても、日本に攻めてくる気配は感じられないではないか。日本経済が停滞し、中国の発展の素晴らしさに妬みを感じるにしても、現在はお互いに十分外交を通じて意思疎通を図り、十分平和でやっていけるのである。

 そこで、アメリカ軍まで出て島の奪回作戦の軍事演習までする必要があるのか。軍隊の訓練はいざという時を想定してするものだが、中国なり台湾なりが与那国島へ攻めてくる恐れがあるとでもいうのだろうか。こちらが地域の平和を脅かす挑発行為をしていると取られても仕方がないであろう。

 平和憲法を掲げている国が、どういう根拠があって島嶼奪回作戦などという軍事作戦をしなければならないのかわからない。中国や台湾はすぐ隣国であり、経済的な結びつきも深い。わざわざ軍事演習までして敵対関係を深めていくより、外交力をもっと駆使して善隣友好を深める方が、ずっと国民のため、日本の発展の為になるのではなかろうか。

 アメリカが中国の台頭を抑えようとするのに乗せられて、日本までが中国と敵対しなければならない理由は何もないではないか。日本はアメリカから独立して、軍備増強、軍事演習などをするより、自主的な外交力を強めて、それこそ東洋平和、世界の平和に貢献すべきではないだろうか。