近くの紅葉

 以前は秋ともなれば、京都や神戸、あるいはもっと遠くまでも、紅葉狩りに出掛けたものだったが、ここ3年余りはコロナの流行と、高齢化、おまけに足を悪くして、以前のようには野山を駆け巡るようなことが出来なくなって、名所の紅葉も、ニュースで聞いたり、写真で見るだけのことが多くなってしまった。

 それでも、やはり秋にはこの目で紅葉を見ないでは過ごせない。幸い、遠出の出来ない老人にとっても、近在どこにでも紅葉の見られる所は結構あるものなので、今は近くを散策して、秋の紅葉を楽しんでいる。

 以前から毎月一回は箕面の滝まで行くことにして来たが、幸い、ここは昔から近在では有名な紅葉の名所なのである。従って、これまでは、毎年11月だけは、滝まで少なくとも二回は行って紅葉を楽しんだものであった。皆の行く滝道ではなく、川の反対側を登ると途中に最も美しい紅葉を見られる所があり、そちらの紅葉を楽しむのが毎年の行事のようになっていたのだが、そちらは道も悪いし今は敬遠せざるを得ない。

 滝道の本道を通っては11月7日に行ったが、まだ紅葉は3分ぐらいだった。もう一度行けるかどうかは怪しい。

 しかし、地元の池田にも五月山があるし、その麓には結構楓の木も多い。常の散策道路にある「緑のセンター」に登るあたりにある楓の大木は、いつも堂々とした風情を見せてくれるし、あたりにも美しい紅葉の景色も散らばっている。近くにある池田城址の庭にも何本かの楓を見ることが出来る。池田の街の中でも、あちこちで紅葉した木々も見られる。すぐ近所の神社の紅葉も黄色い銀杏と対をなして目につく。

 また先日は毎年訪れることにしている万博公園の紅葉谷と、帰途に北千里の三色道路にも立ち寄ってきたが、いずれも毎年見ても飽きないものである。公園の池に映った紅葉は何度見ても美しいし、葉の大きな北千里のカナダ楓はまた一風違った風貌を楽しめるものである。

 その後、今度は2〜3駅先の中山観音にも行って見たが、本来は梅林で有名なお寺だが、ぼつぼつと紅葉した木々も見られ、お寺の屋根や五重塔との組み合わせが気に入った。

 私にとっては、やはり秋には紅葉を楽しまなければ、まともなクリスマスや正月も迎えられないような気がする秋の行事となっている。