ミロコマチコ展

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 先日京都の京セラ美術館へ二紀展を見に行った時に見つけたパンフレットで、「神戸ゆかりの美術館」でミロコマチコの「いきものたちはわたしのかがみ」という個展をやっていることを知り、パンフレットの写真が面白そうだったので、早速見に行ってきた。

 神戸ゆかりの美術館は六甲アイランドにあるので、梅田から阪神電車で魚崎まで行き、六甲ライナーに乗り換えて、久しぶりで海を越えて行ってきた。

 ミロコマチコという人については全く知らなかったが、1981年の大阪生まれで、東京で活躍していた絵本作家らしく、『オオカミがとぶひ』(2012年、イースト・プレス)で第18回日本絵本大賞を受賞した人だそうだが、絵本の世界ばかりでなく、絵画や音楽家とのコラボ、書籍の装画、アートディレクション、それに立体作品まで手掛け、かなり名も通った作家らしいが、今は奄美大島に住んでいるらしい。

 今回はその広範囲な活躍の総集編のような200展以上の展示であったが、絵本作家の像を遥かに超えた興味深い作品の数々であった。入り口の何台かの全面に動物や鳥の描かれたた押し車のようなものから始まり、いろいろな動物や昆虫などの描かれたものが多かったが、大画面いっぱいに描かれている動物たちが多く、それらがいずれも型を外れて、奔放にのびのびと描かれている。

本の表紙や商品の絵、長い巻物に描かれたようなものから、遊び心から作られたような装飾品のコーナーもあり、多才な若者の溢れるようなエネルギーを感じさせられ、遊び心も豊かで、多様なイマジネーションに満ちていた。一緒に行った女房と二紀展などより余程迫力があり面白いなあと語り合った次第であった。

 1981年生まれというから、まだ若く、将来を嘱望される作家ではなかろうかと思われた。遠い所を出かけただけの値打ちは十分あったと思われる。