どうしてファッションマスクは流行らないのか?

 コロナの流行のおかげで、この頃は何処へ行っても、遭う人、見る人、殆ど全ての人がマスクをしている。中には、表面に模様があったり色の着いたマスクをしている人もいるが、殆どの人はただの白いマスクか、そうでなければ、黒か、ブルーの一色のマスクである。

 マスク姿が増え出した頃には、そのうちに真っ白なマスクばかりでなく、段々とファッション性のある模様のついたマスクなどが出廻って来るのではないかと思った。SNSにも、色々な色や模様のついたマスクを見かけたし、美術館の売店などでも、色々なアート作品をアレンジしたマスクが並べられていた。

 私も、白一色では物足りないので、その上に絵でも書いたらと思い、自分でもやってみたが、不織布には絵の具が載り難い上、マスクの襞のために、マスクを着けた時と、外した時のズレが大きく構図が取りにくい。仕方がないので、小さなシールをたくさん貼り付けて、模様を作ってみたりもした。

 こうして、その内に色々なファッショナブルなマスクが出て来るだろうと楽しみにしていたが、いつまで経っても流行って来ない。勿論、服装にあった色のマスクをしている人や、模様入りのマスクをしている女性もいないわけではない。東京都知事や西村大臣のように、模様のついたマスクをしてテレビに出ている人を見かけることもある。しかし、それらはまだ例外的なケースと言っても良いぐらいである。何かが切っ掛けになって、素敵な感じのマスクが流行ってくれないかなあと私は微かな期待を捨てきれないのだが・・・。

  新しいファッション好きな女性も多いはずなのに、これはどうしたことかと思ったが、どうも、マスクは今後も永続的に着用するようになって行くものではなく、あくまでも、コロナ流行のため、感染予防のために、一時的に仕方なしに着用しているもので、早く外したいと言う見えない欲求が働いているような気がする。

 やはりマスクなど外して、鼻も口も露出して、本来の顔で自由に呼吸し、話もしたいのが人情であろう。マスクはあくまでも仕方がないから、一時的にしているのであって、喜んでいつまでもしていようなどとは考えていないという、無言の意思が表れているのではなかろうか。

 いつまで続くか分からないが、出来るだけ早くコロナが終息して、皆がマスクなしに、お喋ベリをしながら一緒に食事をしたり、お互いにハグしあって再開を喜んだり出来る日の来ることを願うばかりである。