コロナ禍中の連休の河原

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 今年の5月の連休は昨年に続いて、また緊急事態宣言下ということになってしまった。コロナが流行り出してから、もう一年三ヶ月を過ぎたが、感染は一向に収まらないばかりか、3月の緊急事態宣言 の解除から一 ヶ月余りで、再び緊急事態宣言を出さざるを得ない事態になってしまっている。

 ことに、大阪では感染者が連日千人を超え、既に医療崩壊が起こり、重症になってもすぐに入院出来ず、自宅や待機中に亡くなる人まで出ている。そんな中での今年のゴールデン・ウイークである。五月の一日、二日は雨だったが、三日は五月晴れで天気も良く、気持ちの良い絶好の行楽日和だったので、平年なら当然何処かへ出掛けているところだが、コロナがこれだけ猖獗を極めていれば、そうもいかず、せめて近くの猪名川辺を2時間ばかり散策した。

 10時頃に出掛けたのだが、驚いたのは、いつも静かで殆ど人のいない川岸に、この日はいつもと違って、大勢の人が見られたことであった。川沿いを走る国道も、車の渋滞が続いていた。川堤の上を行く人は、乳母車を押したり、子供を連れたりの家族連れや、60代70代ぐらいの前期高齢者のカップル、一人歩きの男、女友達連れなど、色々だが、いつもなら、たまにしか人に出くわさない道なのに、何処を見ても、見渡す限り人のいない視野がない。

 堤の上を歩いている人もいれば、立ち止まって遠くを眺めたり、川鵜を眺めている人もいる。川岸に腰を下ろして休んでいる人や、楽器を奏でている人もいる。それに、堤の上の道を気持ちよさそうに走って行くサイクリングの自転車も見られる。一人で走っている人もいれば、子供と一緒や、2〜3人で連れ立っている人もいる。

 こんなに多くの人たちが、ここらの川堤を利用している風景を今まで見たことがない。少し下流の方には、河川敷を利用した野球やサッカーのグラウンドが作られており、休日などはフルに利用されているにで、きっと今日などはそちらの方も選手や家族たちで一杯のことであろう。

 コロナが流行って、緊急事態宣言も出ているので、出来るだけ連休の間も家にいて下さいと、テレビなどで仕切に注意を促しているが、これだけ長くコロナの流行が続けば、いささか飽きてくるし、それよりも冬の間、長い期間、コロナのために何処にも行かず、家にいることが多かったりしていたら、休みが続き、こうも天気が良ければ、これ以上家に止まれと言っても無理であろう。

 誰だって広々とした外へ出掛けたくなるの季節である。若者がこの天気が良いのに、いつまでも家にいては健康にも良くない。連休が続けば、1日ぐらいはゲームでもしていたとしても、いくらなんでも次の日には外へ飛び出さなければ、気が狂いそうだということにもなるであろう。

 そうかと言って、誰にもやっぱりコロナは怖い。人混みの中へは行きたくない。そうなれば、車があれば、何処かへ出掛けて思い切りぶっ飛ばして、ストレス解消だと行きたくなるであろうし、バイクや自転車の人もどこかを走って来ようかということになろう。道路も渋滞する筈である。

 ところで、車を持たない老人は、電車に乗って都心へ出かけるのも怖いし、映画館もレストランも休みだし、そうかと言ってやっぱり、この天気の良いのに家の中でじっとしているわけにもいかない。結局、近くの散歩にでも出かけようということになるのである。

 その結果が猪名川辺の人出なのであろう。こんな広いオープンスペースなら、感染のリスクも先ずないであろうし、気持ち良い川風に吹かれながら、新鮮な空気をいっぱい吸って気分転換も出来るというものである。かくして猪名川の川辺が、いつにない賑わいを見せていたのであろう。コロナ禍の中での楽しいひと時であった。

 翌朝新聞を見たら、大阪の靱公園の空中写真が載っていたが、ひと頃の海水浴場のように、今流行の小さなテントがぎっしり詰まって公園を埋めている様子が映っていた。近場の公園も、何処も一杯だったようである。感染が広がらないことを祈るばかりである。