Go To Hell

 Go To キャンペーンはコロナ(Covid19)による経済の落ち込みからのV字型回復を狙って計画されたもので、そのうちのGo Toトラベルは コロナ蔓延で被害を被った観光業を助けようとするもので、全国旅行業協会所属の旅行社を通じて予約すれば、旅費や宿泊料の半額を政府が負担するというものらしい。ところでこの全国旅行業協会の会長は自民党幹事長の二階俊博氏なのである。

 はじめは8月からする予定だったが、夏休みの観光を狙って、オリンピックのために作られて4連休を利用して、その前日の7月22日から始めることとなったものらしい。ところが、間際になってきてコロナの感染者がまたじわじわと増え始め、予想に反して第二波が起こりそうな気配になって来て、また外出の自粛などを要請しなければならない事態になりそうになって来た。22日が迫ってくるので、どうするか決めなくてはならなくなってきた。

 初めの予定に戻して、それまででも様子を見ることにしてはと思うのが常識だろうが、こういう大金の絡む大規模な計画は、一旦決めたことは容易には変えられないようである。利権も絡むので余計に動かし難いのであろう。始めからコロナの感染がある程度増えてくることは「ウイズコロナ」と言う掛け声からも承知済みなことが分かるが、それより経済のテコ入れの方が大事だという考えなのだが、ここまで第二波が早く起こってくるとは思っていなかったのであろう。

 結局、感染者の多い東京だけ除外して予定通り始めることになったようだが、果たしてどういう結果になるであろうか。東京の除外と、コロナ感染への恐怖による、本来のGo Toトラベルの効果の減弱と、このキャンペーンのコロナの第二波への影響、その結果としての再度の経済活動の中止や縮小などへ繋がるのか、結果がどういうことになるのかわからない。

  片方で三密や不要な外出はやめろと言いながら、他方で出来るだけ旅行して人とも接触しろと相反することを勧めることになりかねない。果たしてどこへ行くのか。まかり間違えばGo To TravelがGo To Hellになりかねない怖さを潜ませている。その責任はそれに乗せられた国民が取らされるのであろうか。

 本来このキャンペーンはもっとコロナが落ち着いてからやるべきものである。拙速は失敗の元である。一旦決めたことを官僚に任せるだけでなく、もっと政治が流動的に動けて、途中でも訂正出来るようにしておかなければ、国民が大きな被害を受けることになりかねないであろう。

 庶民はこれで第二波が広がらねば良いがと願うばかりである。