菅内閣の支持率が落ちて自民党などにも動揺が走り、巷でも次の首相は誰か、石破か、
河野か、などという噂も聞かれる。
菅首相は官房長官の時代から、記者会見の態度が横柄で、特定の記者にはまともに答えようとせず、陰湿な番頭のような感じを抱いていたが、首相に指名された時に、先ず最初に、「自助、共助、公助」と言い出すものだから、それを聞いて、この人は首相の器ではないと咄嗟に思った。
総理大臣であれば、自分でどう思っていようと、困っている国民がおれば、先ずは助けましょうという態度を取るのが常識であろう。初めから「自助で頑張れ、政府が助けるのは最後だぞ」というようなメッセージを発する政治家がいるだろうか。
その後、すぐに出てきたのが学術会議任命拒否の問題である。任命拒否の理由を聞かれても、「個々の人事のことは答えられない」と言い、説明が言う毎に変わって矛盾だらけで、問題を学術会議のあり方にすり替え、世論の盛り上がりの弱いことを見て、このまま推し進めようとする態度を変えていない。
しかし、そんなことより、菅首相の支持率低下のもっと大きな原因は、さしあたりのコロナ対策のまずさである。旅行業者の団体を抱えた二階幹事長などの利権に絡んでか、三密、ソシアル・ディスタンス、不要不急の外出を控えましょうと言っておきながら、コロナの罤1波が収束しきらないのに、それとは全く反対の、GoToトラベルで補助金を出して旅行を奨励し、更には、最も感染リスクが高いとされる飲食のGoToイートまで進め、そのために第二波、第三波が流行り出しても、GoToなかなか止めようとせず、とうとう緊急事態を出さざるを得ないところまで追い詰められてしまった。
それも、発令まで時間がかかった上、後から府県を追加したり、例外扱いをしていたビジネス関係者の入国を停止するなど、全てが後手後手なのである。さらに致命的なことは、緊急事態宣言を出しながら、その元締めである首相が、自から表に立たず、西村大臣や御身会長に対応させていることである。
新年の施政方針演説でも、原稿を読むだけで、自分の言葉で直接国民に語りかけようとしない。コロナの感染急拡大で、多くの国民が不安と苦しみのなかにあるとき、政府としてどうやって感染拡大を抑止するのか、その積極的方策がまったくない。身内からも、今流行りの漫画、「鬼滅の刃」をもじって「自滅の刃」とさえ言われている。
前の安倍首相が118回とやら国会で嘘をついた「嘘付き内閣」であったのに対し,菅内閣は「陰湿なだんまり内閣」で、これでは国民に見放されるのは当然であろうし、コロナの感染は抑えられないであろう。
最早、コロナは誰が見ても、もう短期間では治るとは考え難いであろう。今年に延期されたオリンピックはもう無理である。早く中止を決めて、その金を、緊急事態による損失の補償などに転用すべきであろう。
最早、出来るだけ早く菅内閣には退陣して貰って、新しい内閣に後事を託して欲しいものである。
