早寝早起きも良いけれど

 若い時は夜は元気で朝起きるのが一番辛かったが、歳をとるとともにいつしか早寝早起きの習慣となり、やがて夜は9時就寝が8時になり、7時半になって、7時のテレビのニュースが終わるともう就床ということになる、親戚関係や女房の友達などの間では、あそこはもう8時以降は電話はダメということになっているらしい。

 夜が早くなれば当然朝も早くなる。ずっと4時起きだと思っていたら、最近はそれがますます早くなって、夜中の3時半にはもう目が覚めてしまうことになってしまっている。起きたらすぐにパソコンを開いてメールやフェイスブックをのぞき、四時半過ぎには朝飯を食べ、新聞を読みながら用を済ませ、6時前から腕立て伏せから始まって、自分なりのメニューの運動をこなし、6時25分からのテレビ体操につなげるというのが日課になっている。

 その後は新聞の特集記事や単行本、あるいは長文のSNSを読んだり、ブログを書いたりして、次第にその日の日課に移っていくわけだが、朝が早いだけに、何も出かける用のない日には、9時過ぎに30分ぐらいのナップを取ると、あと1日の気持ちが良い。

 いつの間にかこんな生活になってしまったが、早起きで具合の良いのはどこかへ出かける時である。例えば奈良かどこかで何かの催し物でもあって見物に出かけるとしよう。

 朝9時ごろから始まる催し物でも、十分時間的余裕を持って出かけられるし、通勤時間帯より早く電車に乗ることになるので電車も空いている。催し物も一番に入れば、来場者もまだ少ないことが多いので、ゆっくり観れる。その上、往くのが早ければ帰るのも早くなり、明るいうちに家に戻ってゆっくり休む事も出来る。

 こんな少し一般とずれた生活でも、今はもう殆ど仕事をしていないので、あまり差し障りもない。世間と少し位ずれていても、どっち途、世間とは既に少しばかりずれた人生を送っているのだから、それでも良いのではないかと思っている。

 ただ、この間の地震の後で女房が思い出したように告げたのは、「神戸の震災も、今度の大阪北部地震も朝だったから良かったが、もし宵の8時頃にでも大地震があったら困るね」と。何故かといって、「世間では皆まだ起きているので、すぐにでも外へ飛び出せるだろうが、うちは二人とももう寝ている。びっくりしてパジャマのまま飛び出さなくちゃならなくなるよ」

 なるほど、阪神大震災の時は5時半過ぎだったので、もう朝飯を済ませたところだったし、このあいだの地震の時は午前8時前だったのでもう書斎でブログを書いているところだったが、これがもし午後の8時だったら皆まだ起きているのに、老人だけが二人揃ってパジャマ姿で飛び出さねばならないことになり、確かに恥ずかしくて困るであろう。

 しかしそうだからといって、日常生活のリズムを変えるわけにもいかないし、日頃からパジャマに着替えないで、シャツのまま寝るわけにもいかない。いつ来るかわからないものに対して、やっぱりそこまでは出来ないだろう。むしろ、来れば来たで、その時なりに対処するより仕方がない。そう開き直って、こっそり地震が宵の口にこないことを願って、このままの生活を続けている。