モリカケ解散

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 今日が衆議院議員選挙の公示日で22日が投票日となる。今回の選挙は安倍首相が首相の専権事項だとする解散権を振り回して強引に解散に持っていったもので、その事自体が異常とも言えるものである。

 森友学園加計学園問題の追求で急速に支持率が低下したので、憲法で規定されている野党による国会招集にも応ぜず、3ヶ月経って国会が開かれた時には、何の議論もなく冒頭解散して総選挙に持ち込むという憲法にも違反する暴挙に出たわけである。

 森友学園加計学園問題の追求を避け、たまたま起こった北朝鮮の弾道ミサイルや核開発を絶好の口実として、危機を煽り、国民を脅して恐怖を募り、民進党よりの脱党者が相次いだり、東京都知事による政界再編運動が動き出すなどの政治情勢を見て、今なら勝てると踏んだことによる解散であることは見え見えである。

 それでも解散には何か口実が必要なので、首相は消費税アップの使い道を高齢者の保障から子供や若者を含む全世帯の保障に切り替えるために信を問うための解散であり、国難を乗り越えるためだと言うが、もっと大事な安保法案や共謀罪法案の時には解散せずに国会での十分な議論さえソコソコに強行採決たことを見ても、こじつけの説明に過ぎないことは明らかである。

 どう見ても今回の解散、総選挙は森友学園加計学園問題隠しが最大の焦点である。政府は北朝鮮の危機を煽り、この危機の状態の時に森友学園加計学園問題などの小さな問題を取り上げる暇はないというような態度で乗り切ろうとしているが、解散のきっかけが森友学園加計学園問題であれば、この政策の私物化は国会で最後まで追求すべき問題で、決して蔑ろには出来ない重要な論点である。

 それに北朝鮮問題にしても、危機を煽ることよりもいかに対処して解決に導くかが問題であるのに、安倍首相は対話を否定して圧力を主張するだけで、解決はアメリカ任せで国としての方策を示すことさえ出来ていない。それでいて「国民を守る」とはよく言えたものである。

 この選挙では、おそらく小沢一郎氏が裏で仕掛けたのであろう、小池都知事希望の党への民進党の合流や、それに反発した立憲民主党の立ち上げなどがあり、三つ巴の戦いとも言われるが、小池知事が自民党防衛大臣を務めた人物であり、日本会議のメンバーであることからすると、希望の党自民党の補完勢力であり、選挙の本質は三組の争いではなく、憲法を改正してアメリカの思し召しよく戦争のできる国にしょうとする自民党を中心とする勢力と、憲法を守りあくまで平和を追求する革新勢力の争いである。

 ここらで安倍政権を倒さないと、このまま進めばこの国は再び破滅の底に落ちかねない、ここらが分水嶺になるような気がする。少しでも多くの人が投票所に足を運び投票率を上げることが革新勢力に有利なのではないかと思われる。18歳や19歳で初めて投票に行かれる人もよく考えてできるだけ多くの人が投票所に行って欲しいものである。