ロシアの侵略は悪だが、アメリカの侵略は良いのか?

 

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 ロシアのウクライナ侵略で世界中から反対の声が上がっている。当然のことである。アメリカの呼びかけで、西欧諸国や日本もロシアの最恵国待遇やSWIFTからの排除など出来る限りの制裁を施そうとしている。ロシアの行動は十分それに値する蛮行である。

 しかし、この世界的な風潮の中で、ちょっとすぐ以前までの世界を振り返ってみたらどうだろう。今ロシア懲罰の旗振り役をやっているアメリカが、どんなことをやって来たことだろうか。

 アメリカがアフガニスタンから撤退したのは、まだごく最近のことである。それまで長年に亘ったアフガニスタンへの侵略、その前の誤った核疑惑に基づくイラクへの侵略戦争。さらに振り返れば、数々の中近東やアフリカでの戦争、ベトナム戦争などなど、第二次世界大戦以後の世界でアメリカほど不当な戦争で、世界の人々を苦しめてきた国はない。

 (Arnaud Mafille@ArnaudMafille)             10 wars, 6 millions killed, 1 Nobel Peace Prize,    0 sanction

 その上、アメリカの力によって西欧諸国や日本までが、その侵略戦争に加担させられてきたことも忘れられない。まさかアメリカの戦争はどれも正しく、今回のロシアの侵略だけが悪いというわけには行くまい。今なお、この世界では力を持っているものが自分勝手な暴力を振るって目的を果たそうとする野蛮な世界であることを見せつけられているのではないか。

 今回のロシアの侵略戦争は、理由がどうあれ、何処までも非難すべきだが、今反対の声を上げ、援助しようとしている国やメディア、色々な人たちは、これまでのアメリカの侵略戦争に際してはどう振る舞って来たのであろうか。もちろん、それらに対する反対行動も多かった。しかし、日本は、西欧諸国はどうしていたか。例えば日本のメディアなどはどうだっただろうか。見ていて疑問が湧いて来るのをどうしようもない。

 まさかウクライナが文明国で、アフガニスタンやアフリカなどの未開国とは事情が違うなどとは言えまい。それこそ人類平等、人種差別などにもつながる問題であろう。

 どの侵略戦争にもそれぞれの事情があるのは当然であろうが、戦争に訴えることだけはやめるべきである。一方的な懲罰も一般の国民を苦しめるだけである。双方の話し合いで解決することを目指すよりないのではなかろうか。