親日スリランカ女性の入国管理施設での死

 名古屋の入国管理施設でスリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさんが今年に3月に亡くなった。まだ33歳で、来日して学校に通っていたが、退学したからとかで在留資格がなくなり入国管理施設へ収容されていた。

 ところが収監中に体調不調を訴えていたにもかかわらず、 適切な入院や 点滴処置がされずに 放置状態が続き、その後、体調が悪化し 収監施設で亡くなるという痛ましい事件になってしまった。 

 日本の入国管理施設での管理体制や待遇には以前から問題が指摘されており、入管による入国者への敵対的な措置が人権を蹂躙し、国際法にも違反しているとして国内外から批判されているが、ずっと改善されることもなくそのまま続いて来ているようである。

 その結果、これまでにも、17年には収容されていたベトナム人くも膜下出血で死亡。また収容者の約100人が環境改善を求めてハンガーストライキをしたこともあり、19年には仮釈放を求めてナイジェリア人がハンガーストライキをして餓死したこともある。また最近では、このウィシュマさんの例以外にも、宗教上の理由で中国から来日、難民認定を求めていた盧永徳さんも脳梗塞と診断されたが、再受診の許可が遅れて死亡。娘さんが大阪地裁に提訴するという事例も起こっている。

 この入国管理制度は戦前には特高が扱っていた所だそうで、旧態依然たる管理方式が以前から度々問題になっていたようである。不法滞在者とされる収容者の大半は、一時は正規に滞在し、在留資格は切れたが、犯罪を犯したわけではない人たちで、母国へ戻るのが危険であるとか、生活の基盤がもはや日本にしかなく、「帰らぬ」より「帰れぬ」人たちなのである。

 ウィッシュマさんの遺族は適切な情報開示を求めているものの、入管の側は死因は現在調査中として、施設のビデオは開示しないという 方針で、遺族や支援者の怒りをかっている。

 人口減少による労働者不足を補うための技能実習生をはじめとして、国内で働く外国人は年々増加しているにもかかわらず、政府は外国人の移民を原則として認めない方針で、不法滞在者としての入管の扱いも、それに関連しているのであろうが、難民認定を受けた人は申請者約1万1千人中28人に過ぎず、在留特別許可を受けた人数も15年前1万3千人あったのが、19年には僅か1千4百人に減っているそうである。

 日本の将来の人口減少や、世界の人々の流動化を考えれば、むしろ如何に積極的に優秀な移民を受け入れるかが、今後の国の発展の為にも不可欠な政策となるであろう。ここらで、将来のことを考えて、移民政策などを根本的に再考することが不可欠であることに気付くべきであろう。不法滞在者とされてしまった場合の、 このずさんな管理を続ければ、やがて、リスクを考えて日本に来たくないと考える外国人が 増えてしまうのではなかろうか。   やがて顕著になってくるであろう中国や韓国などでの人口減少を考えれば、優秀な移民の取り合いともなりかねない。移民政策が国の命運にもかかってくるとさえ言えるかも知れない。