二年振りとかで、国会で党首討論が行われた。ところが討論会というのに、時間が全部でも45分しかない。割り当てられた時間は、立憲民主党が30分だが、後は維新5分、国民民主5分、共産5分に過ぎない。5分で終わる討論などありえない。夫婦喧嘩でも5分では終わらないと誰かが皮肉っていた。時間がなければ、日を変えて続ける方法もわけだが、実際には党首討論もやりましたという実績を作る為だけのもののようである。
それは兎も角、今やコロナの流行で緊急事態宣言が出されている最中だし、そこへオリンピックが、開催までもう1ヶ月あまりと迫っているので、こんな状態で、本当にオリンピックなど出来るのだろうかと気になっているのが国民である。討論のテーマを当然そこに絞られることになる。
政府はコロナの相次ぐ流行波のために、人流を抑え、三密を避け、飲食店や酒場は営業停止や時間短縮、感染防御の徹底などを命令されているところなのに、そんな中で、それとは真逆な、世界中から大勢の人が集まり、対人スポーツであるオリンピック競技を大々的に行って、大丈夫なのか?コロナの感染がまた広がるのではないか。感染が広がって大勢の死人が出たりすれば、誰が責任を取るのかなどと誰しもが心配になる。世論調査でも、この際オリンピックはやめるべきだと言う意見が優勢である。
明確な政府から国民に向けての説明がないので、それでも政府は本当にオリンピックをやるつもりなのかと言う疑問を多くの国民が持っているのが現状であろう。当然、党首討論でも、このコロナ流行の中で、感染拡大の危険を冒してまでオリンピックをする意義があるのか。オリンピックを強行してもコロナ感染の制御は本当に出来るのか。といったことが主な論点になった。
しかし、この中心的な質問に対する菅首相の返事があまりにもひどかった。まともに、コロナ流行とオリンピック強行との関係には答えず、64年の前回の東京オリンピックの思い出話を持ち出し、7分近くも長々と話して時間を潰して、肝心の質問には答えていないのである。しかも後刻、この答弁を懇切丁寧に説明したと自賛しているのである。
どこかの教授がヤギさん論法だと貶していたが、まさに質問はそのまま食べてしまって、何も答えず、代わりに自分の好きなことだけ喋って終わるという、「しろやぎさんたら読まずに食べた。仕方がないので云々・・」という通りである。これが国会での党首討論での話なのであるから、これほど国民を馬鹿にした対応はないというところであろう。
こんな馬鹿げた党首討論で国民が欺かれるはずがない。恥を知るべきである。やはり自分の言葉を持たない菅首相は首相不適格者である。もう早く辞めてもらいたいものである。