韓国映画「パラサイト 半地下の家族」

 韓国映画「パラサイト」が面白かった。2018年の第71回カンヌ国際映画祭で最高賞・パルムドールを取った是枝裕和監督の「万引き家族」と同様の社会の底辺で暮らす家族を取り上げた映画であるが、是枝監督も「『見ろ!』としか言えないし、『面白い!』としか言いようがないと絶賛する映画である。

 ポン・ジュノ監督のこの作品も昨年の第72回もカンヌ国際映画祭パルムドール賞を韓国人として初受賞している。昨年末から公開されていたようだが、正月休みに見に行った。映画館は世の嫌韓ムードなど、どこ吹く風で、満席だった。

 4人家族全員が失業中のキム一家は、スマホの電波も届きにくい不便な半地下住宅で暮らす。長男ギウが名門大に通う友人を介して、高台の大豪邸に住む超裕福なパク一家の家庭教師になったのをきっかけに、妹ギジョンを美術の教師としてもぐりこませることに成功し、次は……とキム一家は巧みにパク一家に“寄生”生活をしていく。最初のうちは笑っていられるが、後半はかなりえぐい韓国映画っぽくなっていく。

 日本の「万引き家族」と比べると、まるで漬物とキムチの違いのようで両国の文化の違いを象徴しているようで・興味深かった。