8月29日の朝日新聞のトップ記事は「米、ISに報復攻撃」(アフガン無人機で「標的殺害」)と出ていた。最近のカブール国際空港付近での爆破テロに対して、バイデン米大統領が報復を宣言していたので、それを実行したものと思われる。
米軍兵士が13名も殺されたので、引き上げ間近であるだけに、何らかの強硬手段を講じて報復しなければ、国内の世論を抑えられないし、政府や軍の権威を見せつけるためにも不可欠な行為であったのであろう。
しかし、軍隊のすることだから、こんなことになるのであろうが、余りにも稚拙で乱暴な攻撃だったと言えるであろう。詳しいことはわからないが、標的がはっきりしていたとしても、無人のドローンによる攻撃は、よほど情報がはっきりしていないと、独りよがりで誤爆の危険が高い。ましてや、最早米軍は戦闘をやめ、引き上げ中なのである。当然敵の詳しい情報はこれまでのようには持っていないし、あるとしてもすでに古いものとなる。
そんなところで、ドローンで攻撃しても、果たして正確に狙った相手を殺したのではなく、普通の一般市民を殺している可能性が高い。映像でしか見ずに攻撃するのだから、本当の標的か確かめようもないであろう。場所や時刻などの情報だけで本当に狙うべき相手であったのかどうかも甚だ心許ない。(後の報道によると事実、関係のない一般市民の一家が巻き添えを食って殺されているようである)
これまでもいい加減な情報で人殺しをしてきたのがアフガニスタン戦争なのである。相手が兵士であろうと、一般住民であろうと、こちらの都合で判断して殺してきたのが20年にも及ぶ戦争だったのである。そのようなやり方が大勢の国民の命を奪いタリバンの復活をもたらしたのである。
これを最後にして、米軍はもう早くとっととアフガニスタンから出ていって欲しいものである。