先日の『「頑張ろうなどいううな!」津波被害の魚師の言葉 』という、津波直後の被災者の言葉を読み直した時に、同時のその頃に新聞に載った歌をもいくつか書き止めていたので、それらもここで再録しておきたい。
この災害についての歌はそれこそ数え切れないぐらいあるだろうが、今回の災害直後の被害者の心情を思い出す参考になるのではなかろうか。
記者らみな「瓦礫」と書くに「オモイデ」とルビ振りながら読む人もいる
何もない一人佇む老人に今何がしてほしいと聴く無神経
「がんばろう」「がんばって」より「大丈夫、心配ないよ」と言って欲しい
大戦の前夜の如き響きもて繰り返される「強い日本」
「頑張って」「がんばれ」「ガンバレ」もう沢山!私とっくに頑張ってます
たびたびの事故隠したる原発を想定外と吾は認めぬ
姿見せぬ人に二種あり原発の内部作業者、最高責任者
三月に安全唱えし識者らはいずこに消えし泡(あぶく)のごとく
そして、6月6日の同欄に「しばらくはぼんやりしてればよい」と言う友の言葉がありがたかったという歌をみてほっとした感じがした。選者の意見にあったように『頑張るべきは被災者でなくて、支援する側』にこそあるのであろう。