眼輝閃光

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 眼輝閃光といっても多くの方にはわからないであろう。これは偏頭痛に関係が深いもので、閃輝暗点ともいって、偏頭痛の発作が起こる前兆として時に見られるようで、見え方は人によっても異なるようだが、例えば、上の図のように、眼の前の視野の周辺にギザギザとしたような光の輪のようなものがチラチラ光り、ひどくなると目を開けてられなくなるが、目をつむっても消えないもので、そのうちに頭痛がひどくなってくるもののようである。

 なぜこんなことを取り上げたのかというと、最近初めて「回転生のめまい」を経験した序でに、つい以前から経験してきたこの珍しい現象である、眼輝閃光のことを思い出したからである。そう言えば最近はあまり起こらなくなっているが、すっかり出なくなったわけでもない。

 60歳を過ぎた頃からであった。パソコンを見ている時に、そんな眼輝閃光に見舞われるようになり、始めは一時的な目の疲れかなというぐらいに思ったが、そのうちに時々起こるようになり、パソコンを見過ぎたような時ではなく、むしろ朝などに多く、寝不足などとも必ずしも関係しないようであった。

 これが見られるようになると、そのために画面が見えなくなるわけではないが、そのチカチカに妨げられて、ゆっくり画面が見えなくなる。邪魔になって、うるさくなって、どうしようもない。目をつむっても、暗い中で眼輝閃光は依然として続き、どうにも逃れようがない。しばらく仕事から離れて、消えていくのをじっと我慢して待つよりない。

 ところが私の場合、これが起こっても偏頭痛は起こらない。若い頃に時々、突然起こる偏頭痛に悩まされたことがあるので、始めの頃は、そのうちに偏頭痛でも起こるのではないかとか、脳腫瘍の兆候かもと気になったが、偏頭痛は全く起こらなかったし、脳腫瘍なども、その後に調べた頭のCTなどでも異常がなかったので否定しても良さそうである。

 調べてみると、偏頭痛を伴わない眼輝閃光も結構あるようで、特別心配はいらないことを知って安心した。そういうことがわかれば、次に起こっても、また来たかと思うぐらいで、仕事を邪魔されるのを苦々しく思っても、今度は両眼だなとか、今度は早く消えたななどと心配せずに、しばらく休憩を取ることが出来るようになった。

 何故だか、最近はあまり起こらなくなったが、それでも先日少し見られたので、すっかり消えてしまったわけでもなさそうである。九十歳の老人ともなれば色々あって当然なのであろう。悪い病気や危険につながるものでなければ、無くならなくても、むしろ、時に経験させてもらえる非日常的なエピソードとして、死ぬまで一緒に付き合わせてもらおうかと思っている。