厚真(あつま)町の山崩れ

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 ご覧になった方も多いだろうが、今度の北海道の胆振(いぶり)地方東部地震における厚眞(あつま)町の山崩れの写真である。

 はじめテレビで見た時は、山裾に沿って一列に多くの山崩れが続いている写真だったので、丁度そこらに断層が走っていたので、続いて土砂崩れが起きたのかと思っていたが、そのうちに航空写真が出て、はるか向こうの山の中まで、無数の山崩れが起きていて、茶色い山肌が広がっているのを見たびっくりさせられた。

 こんなのはこれまで見たことがない。上の写真が山崩れが起きる前と後の対比写真である。こんな山崩れが一斉に広範囲に、それも夜中の三時頃、まだ皆が寝ている頃に起こったのではどうしようもない。40人近くの方が生き埋めになって亡くなられたようだが、私がそこにいても、これでは助かりようがない。亡くなられた方々のご冥福を祈るよりない。

 どうしてこんな広範囲の山崩れが起こったのか、不思議に思ったが、WIkipediaの解説によると、

 今回の地震では強震動によって厚真町を中心に広い範囲で土砂崩れが発生した。この土砂崩れの主な崩壊源は約4万年前に支笏カルデラから噴出された降下テフラ(Spfa-1)で、この層の上位にある恵庭岳樽前山のテフラや、土壌層が一気に崩れたとみられている[注釈 4][19]前日の台風や、6~8月の降水量が平年の約1.6倍と多かったことから、土壌には多量の水を含んでいたと考えられており、その影響もあった可能性も考えられてる[20]。また降下軽石層は透水性が高く、化学的風化粘土化し、土砂崩れが起こりやすくなっていた可能性も指摘されている[21]。Spfa-1は主に未固結の軽石からなる。厚真町周辺では4m前後の厚さで堆積しており、下位にある中新世の海成層を覆う。この軽石は乾燥密度が約0.5 g/cm3と非常に小さく、国内に分布する軽石でも最も軽い値となっている(多くの軽石は1.0 g/cm3前後)。上位にある土壌層は概ね1.5〜2.0 g/ cm3で、軽いものの上に重いものが重なった不安定な地層構造であったとみられる[22]

ここで、テフラというのはギリシャ語で灰の意味で、火山灰軽石スコリア火砕流堆積物・火砕サージ堆積物などの総称。火山砕屑物とほぼ同義であるが、ある程度広く分布するものに用いられることが多い。狭義には降下したものを指すそうである。

 この説明で初めて知ったが、自然災害は恐ろしいものである。これらを全て予知し、予防することは不可能であるが、地球温暖化による海水温の上昇や、台風などの影響もあるとすれば、近年の地球環境の変化に対して、何らかの対策を講じて、台風や地震を止められなくても、その被害を減らすための対策を講じていく必要があるのではなかろうか。

 このような地滑りが起こりやすいことを住民は知っていたのであろうか。おそらく否であろう。せめてこのような危険性はもっと日頃から知ってもらっておくべきであろう。広島で起こった土砂災害については、私が以前にたまたま見た風景からだけでも、素人目にも危ない所だと思っていた所に起こっていたこともある。

 国家間の経済戦争や軍備の増強よりも、人類が生き延びるために全ての国が力を合わせて地球環境の維持、改善に取り組まなければならない時期が近づいているのではなかろうか。