ラ・フォル・ジュルネ・びわ湖

 ここ数年毎年4月の末になると、待ちわびて、びわ湖ホールラ・フォル・ジュルネ・びわ湖(La Folle Journee)へ行くことになっている。

 このラ・フォル・ジュルネは、元は1995年、フランス西部の港町ナントで誕生したクラシック音楽祭で、 毎年テーマとなる作曲家やジャンルを設定。コンベンションセンターで、同時並行的に約45分間のコンサートが朝から夜まで繰り広げられ、入場料も安く、好きなコンサートを選び、1日中、音楽に浸ることができると言うことで始まったもののようである。

 それが2000年頃から世界に広がり、、2005年からは東京国際フォーラムで開催。ついで2008年には金沢、2010年には新潟、びわ湖、などでも行われるようになったものである。主にクラシック音楽であるが、会場の外では子供や学生の合唱や吹奏楽などもあり、ホールの周辺には屋台も出て、音楽の合間も湖畔を散策したりくつろいだりできるようになっている。私たちはもう五年以上は通い詰めていることになる。

 何よりもびわ湖ホールが魅力的なのである。湖畔にあってホールの外はすぐ湖に接しているし、ホールの中からも湖の景色を一望できるのがたまらない。国中で一番立地条件に恵まれたホールであり、ホールの中の構造も良いし、私の一番のお気に入りのホールでもある。

 そこで一日中ゆっくりと好きな音楽を聴いて、その間には広い湖の景色を眺めながらくつろいだり、食事をしたり、湖畔を散策するのがたまらない魅力である。ちょうど気候も良くなったところだし、湖畔の開放感がどこのコンサートホールでも味わえないない良さである。

 大阪からは少し遠くて不便なので、始終行くというわけにはいかないが、やはり湖畔の魅力のためか、何か気の利いた催しでもあると、自然とまた行きたくなるのである。

 このラ・フォル・ジュルネでは演奏時間もだいたいは1時間以内に終わるようなスケジュールが組まれており、一日に色々な演奏が次々に行われるので自分の好きなものを聴きながら、間には湖畔を楽しむことで一日を有意義に過ごせるようになっている。

 今年のテーマは「ラ・ダンス 舞曲の祭典」ということで、私は聴かなかったが、日本センチュリー交響楽団によるベートーベンがあり、ついで大フィルのハンガリー舞曲をはじめとするいろいろな舞曲の演奏があり、それを聴いたが、いつもの身振り手振りの大きな大植英次指揮が遺憾なく発揮されていて楽しかった。

 その他キオスクでは、難しい曲に挑戦していたピアニストや、よく訓練された子供から高校生までの合唱、湖畔での高校生の吹奏楽なども聴いた。今年は行かなかったが、この会にはびわ湖遊覧船のミシガンの船上での演奏もあり、昨年だったかに参加したが、湖の船上での音楽もなかなか乙なものである。

 湖畔でゆっくりするだけでも楽しいのに音楽付きではたまらない。毎年また来年も行こうと思いながら帰りの送迎バスに乗る次第である。