マナーの悪いのはどの世代か

 インターネットで若い人が中年の男のマナーの悪さを嘆いていたが、私のような超高齢者から見ても、やはり平均的に見ると、現役の中高年者が一番マナーが悪いように思われる。どうも、このあたりの世代は仕事のストレスが大きく、時間的にも、精神的にもゆとりが少ないので、つい職場で鬱積したイライラを外で発散させてしまう人が多いことに関係があるような気がする。

 同じ老人でも、退職後の60代後半から70代前半ぐらいにかけての人たちを見ると全く違い、仕事のストレスから解放され、時間的なゆとりも出来、退職金などで経済的にも多少はゆとりもあり、まだ元気なので好きな行動もしやすいので、多くの人がのびのびとにこやかにしているように見える。

 若い人たちから見れば、老人と言ってひとくくりに言うが、幅が広いもので、彼らが問題とする老人というのは、恐らく日常的に彼らと関係の深い、まだ現役で身近にいる中高年を指していることが多いのではなかろうか。

 あるサービス業従事者によると、「若い人のクレームは『どうしてこうなったのかとにかく理由が知りたい』(包み隠さず説明すれば納得してくれる)例が多いが、中年以降のクレームは『とにかくそっちが悪い、俺を特別扱いしろ、こうなった理由とかどうでもいいから誠意を見せろ』などが多かった印象だという。

 コールセンターにいると実感するそうである。電話に出た瞬間にバカヤローとか言ってくるのは大抵高齢者で「理由を説明したくても聞いてくれないで、キャンセルだの、、弁償だの特典を追加しろだの言ってくる。断ると上司を出せ攻撃が始まるそうである。
「若い人は改善策を提示すれば納得してくれるけど、老害は気分を害したから責任を取れって言うなど、 高齢者のクレームの質が、人生経験の乏しい若者のそれよりも劣悪であるという風潮自体、なんとも恥ずかしいことである」などと書かれている。

  勿論、現役の中高齢者が全てマナーが悪いわけではない が、電車の中などで不必要に広いスペースを独占したり、傍若無人に振舞い、周囲の人に気遣いをしないような人にこの年代の人が多いことも確かなように思われる。

 今、若者が「見習いたい」と思える生き方をする高齢者の方が反面教師扱いしかされない高齢者よりはるかに多いことを願うが、この世代が社会的にストレスの多い重荷を背負わされ、苦しい生活を強いられていることにも思いを馳せるべきであろう。