戦前まだ私が子供だった頃には、世界的な大恐慌があり、それに冷害も重なって、東北地方の農家の疲弊はひどく、娘を売らなければ生きていけない話などを聞かされたものであった。当時の日本の人口は7千万人ほどであったが、こんな小さい国にこんな大勢の人を養えるわけがないだろう。だから南米や満蒙に移民しなければならないのだと言われていた。
ところが戦争が終わってしばらくすると、人口が増えたにも関わらず、化学肥料の普及などで米が余るようになり、政府は補助金を出してまでして、減反政策を取るようになってきた。アメリカなどからの米の輸入には高い関税を科して米価を守ってきた。
そんなことで、凶作でタイ米の輸入に頼ったこともあったが、米の安定供給はほぼずっと守られてきた。ところが、昨年の春頃から突然各地で米の買い占めと品薄が発生し、米の価格が全国的に高騰し、政府は備蓄米を放出してまでして抑えようとしたが、なかなか成功せず、令和の米騒動とも言われ、未だに落ち着いてはいない。
マスコミが社会不安を煽る報道を過剰に繰り返したことが原因とする説もあるが、石破茂政権がコメ増産にカジを切ったかと思ったら、高市早苗政権は「国が米価にコミットすべきでない」として、すぐ元の減反に戻した。米価は史上最高値をつけているが、政府はそのまま改革もせず成り行き任せのようである。
トランプ大統領はアメリカ産の米を買えと言っていたので、案外、それに屈して米価の安定を図る算段かも知れない。一部の人向けの「おこめ券」配布なのでごまかそうとすることも考えられる。果たしてどうなることやら・・・。今度の正月の餅米も高くなりそうだと言われている。