従属国の首相の哀れ

 この時の高市首相の気持ちはどうだったのだろう。戦勝国であり、今も安全保障条約ですっかり抑え込まれ、地位協定で国土を自由に優先的に使われている宗主国の大統領を初めて迎え、どんな態度で接遇するのか多くの人々が注目していたことだろうと思う。

 その結果がこれでした。トランプ大統領のポチと言われた故安倍晋三首相に倣って、大統領に気に入られようと振る舞ったのは確かなようです。東京での会談を済ませた後、大統領と一緒にアメリカ軍のヘリコプターで、東京から横須賀の米軍基地まで飛び、アメリカの原子力空母の看板上で、大勢のアメリカ兵に囲まれて、トランプ大統領の演説の後、紹介されて飛び上がって挨拶したのがこの写真である。

 横須賀の米軍基地は敗戦前は「大日本帝国海軍」の最大の軍港で、戦後アメリカに接収され、以来アメリカの東洋における最大海軍基地として、アメリカが占有している所である。

 宗主国アメリカの大統領が、征服した元日本のその軍港へ、日本の首相を連れて行って、日本にはない原子力空母の艦板上で、多くのアメリカ軍将兵に紹介し、アメリカ軍の存在を誇示したのであろうが、そんな場所で、喜んで躍り上がって挨拶している日本の首相を多くの国民やその他の関係者はどういう気持ちで眺めたことだろうか。

 私は恥ずかしくて見るに耐えなかったと言わざるを得ない。高石首相はもうトランプ大統領の御機嫌取りに精いっぱいで、あの戦争のことも、その前の過去の歴史も忘れてしまったのだろうか。

 なお、この写真が載っていた同じ新聞の別ページには、横須賀での国道で米海軍兵が右折禁止の交差点で右折し、二十二歳の若者のバイクと衝突し、死亡させた事故が載っていた。

 ここでも、在日米軍法務部長が裁判官宛てに、執行猶予として被告を米国本土へ移送するよう要請し、被告は米国に帰国し所在不明で、家族が米兵と国に対して起こした損害賠償請求の民事訴訟にも、米軍は米兵の所在をプライバシーを理由に教えないそうだとある。

 従属国の首相のあまりにも惨めな姿に、中国などには強い言葉を投げかけても、アメリカには全く頭が上がらない姿に、惨めな祖国を感じないではおれないのは私だけであろうか。