アメリカファーストの国で日本人ファーストを叫ぶ

 先の参議院選挙で新たに出てきた参政党が「日本人ファースト」と言って票を伸ばし、13議席を獲得し、議案提出権まで得た。若い人たちの層での得票が多かったそうである。

 しかし、この党の掲げる政策は天皇制や教育勅語を復活させるような、アナクロニズムの極右政策で、早速「スパイ防止法案」の提出を行うそうである。

 最近の外国人労働者などの増加によるトラブルなどから、外国人嫌悪、排斥などが強くなっているようで、「日本人ファースト」をキャチフレーズにして打ち出しているのが、そこそこ受けたとか言われている。

「日本においては、以前より”村八分”のような少数派に対する疎外や攻撃の傾向があり、景気が悪い時など、人々の生活が苦しくなると、いつも見られてきた現象で、歴史的に見ても、朝鮮人アイヌ人、沖縄人、部落民などに向けられていた偏見が、差別から迫害まで繰り返してきたものである。

 生活保護受給者へのパッシングも同列である。惨めな自分達よりも、さらに惨めと思う人々が思ったより良かったり、同じであれば、それらの人々が自分達より優遇されているのではないかという猜疑心に囚われ、少数派が優遇されているように感じ、それを叩くものである、そんな偏見が外国人労働者に向けられ、「日本人ファースト」などという言葉まで飛び出してきたもののようである。

 その中では、かって日本人が戦前に植民地であった朝鮮の在日朝鮮人を蔑視して言った、韓国人には発音しにくい「15円50銭」という言葉まで飛び出して来たそうである。(それを言うなら、「日本人の主食は米(Rice)でなく「しらみ」(Lice)であると」言うのと同列である)

 ところが政府や支配者たちが一斉に隠そうとしているが、現在の日本社会の実態は、決して「日本人ファースト」ではない。日米同盟により、アメリカは日本の何処にでもアメリカ軍の基地を作れるし、長年問題になっているアメリカ軍の沖縄基地や、それにまつわる沖縄住民の被害の問題、それに東京の空さえアメリカ軍によって完全に支配されているなどでもわかるように、日米関係で日本では国内でも、「日本人ファースト」など何処にもない、全くの「アメリカファースト、日本セカンド」なのである。

 そんな中で、「日本人ファースト」と叫んで弱い立場の外国人集団を叩いても、弱いものいじめにすぎず、アメリカ従属の実態を誤魔化そうとすることになるだけである。「日本人ファースト」と言いたいなら、弱いものいじめでなく、アメリカに向かってこそ言うべきではなかろうか。

 今回成立した日米経済協定一つを見ても、これまでのトランプ大統領の発表では、日本はあまりにも惨めではないか。弱いものいじめで泣かされるアメリカに向かって、堂々と「日本人ファースト」と言える日の来ることを願って止まない。