日本人ファースト言うならアメリカに

 最近の物価上昇しても給料は上がらず、米不足なども絡み、生活が苦しくなり、先行きの見通しが悪くなると、誰しも不安に晒され、将来への希望が持てなくなる。そうなると、近くにいるけれど、自分たちと異なり、得体が知れない人たちや集団が気になり、彼らは悪い奴らで、こっそり何かをして、得をしているのではないかと言う邪推なども起こりやすい。

 そうした心理が”訳の分からぬ”集団への偏見を生み、人種差別などを起こすが、こちらの生活が苦しければ苦しいほど、先の見通しが立たなければ立たないほど、偏見が憎悪にまで変わり、極端な場合には、関東大震災後の朝鮮人殺害のような事にも繋がりかねない。

 それが現在急速に発展して来たして来た外国人排斥の背景であり、日本人ファーストのようなキャッチフレーズになっているのである。この様なことは今に始まったことではなく、以前からこの国にある朝鮮人アイヌ人、部落民などの排斥の続きで、人々の生活が苦しくなると顕著になってくるものである。

 ところが、それを唱える人達は、現在の日本全体が日本人ファーストになっていないことを忘れている。日本全体のアメリカ軍基地を見てもわかるし、アメリカ軍の活動の下で、沖縄の人たちがどれだけ惨めな状態に置かれているかを知るだけでも、また、沖縄にまで行かなくとも、東京の空がアメリカ軍の支配下におかれていることを知るだけでもわかる。

 決して今の日本は日本人ファーストの国ではなく、全てがアメリカーファーストであり、日本セカンドなのである。今回の参議院選挙に関しても、政府はアメリカから言われた軍事費の3.5%upを、選挙のために発表を遅らせてくれと懇願しているようである。

 少数の外国人問題に日本人ファーストと叫んだところで、アメリカとの関係を変えねば、日本人ファーストなどと言えないことは明かである。異分子だからと敵対しようとする人たちは、人口減少で高齢社会のこの国を助けてくれるお助け人たちであることを知るべきである。

 元々、この国に住む”大和民族”は、あちこちからやって来て、この国に住み着いた人々のことなのである。この国の将来の発展のためには、日本人ファーストで排除しようとする人々こそ助っ人であるばかりか、将来の日本人の根幹の一部となる人々なのである。

 これらの人々と一緒になって初めて、将来の日本や日本人が成立するのである。排除どころか丁寧に扱い、厚遇して、一体となって将来のこの国の発展を考えるべきであろう。日本人ファーストが排除しようとするマイノリティの権利を守ることと、私たち一人ひとりの自由や安心とは、根底でつながっているのである。

 人口の高齢化、人口減少の進むこの国は、新たな日本人を加えなければ、現在の日本人だけでは、将来の希望のないことを知るべきである。