私の姉は私より二歳年上だから、もう白寿を越している。旦那に死に別れ、外国から帰ってきた一人息子に面倒を見て貰っていたが、もう十年足らず、施設に入っている。
孝行息子が始終施設を訪れており、私もたまに施設に行って車椅子で連れ出して、近くの公園や喫茶店などへ行ったこともあったが、こちらも歳をとってもう施設までは行けなくなってしまい、最近では息子から様子を聞くだけになっていた。
幸い良い施設で、よく面倒を見てくれている様だが、年には勝てず、寝たきりでは次第に体力も衰え、時たま嚥下性肺炎を起こしたりし、一昨年の冬にはもう3月の誕生日まで持ちこたえらるだろうかと心配させられたこともあった。
しかし、幸いそれも何とか乗り越えてきたが、最近は更に衰えを見せ、息子が面会に行っても、目を開けて応答する日もあれば、呼びかけても応答なく、そのまま帰らざるを得なかった日も見られる状態だったようである。それでも何とか今年の冬も乗り越え、三月の白寿の誕生日も迎えられたと喜んでいたが、最近、再び嚥下性肺炎で発熱し、意識も衰え、経口接種を止めて、点滴注射ということになってしまったようである。
それに対処するために、本人を囲んで、息子と医師、介護士が相談し、結論としては、もう積極的な検査や治療はせず、身の回りの世話や介護だけにして、そっとしておこうということになったらしい。これまでの経過や現状からしても、妥当なものだったであろう。静かに自然の成り行きに任せるべきであろう。
私もこれに全面的に同意するものだが、ただ、そう言えば二歳しか違わぬ私も、もう若い元気な普通の人間並には扱って貰えなくなってしまっているんだなあという気がしないでもなかった。超高齢者の最後を如何に遇するかは社会により、時代により、変わってくることであろうが、私も最早人生の卒業時期になっているのだなあ。やはり自然の流れに任せて貰うよりないなあと思った次第である。